「プアン/友だちと呼ばせて」を鑑賞しました。
「バッド・ジーニアス」で本国タイで年間ランキング1位、アジア各国でタイ映画史上歴代興行収入第一位を奪取し、世界中から注目を集めたバズ・プーンピリア監督の最新作です。
今回の記事では、「プアン/友だちと呼ばせて」の見どころや、解説をお届けいたします。
今回の記事では、「プアン/友だちと呼ばせて」の見どころや、解説をお届けいたします。
STORY
ニューヨークでバーを経営するボスのもとに、タイで暮らすウードから数年ぶりに電話が入る。 白血病で余命宣告を受けたので、最期の頼みを聞いてほしいというのだ。バンコクに駆けつけたボスが頼まれたのは、 元カノたちを訪ねる旅の運転手。カーステレオのカセットテープから流れる思い出の曲が、二人がまだ親友だった頃の記憶を呼びさます。 かつて輝いていた恋への心残りに決着をつけ、ボスのオリジナルカクテルで、この旅を仕上げるはずだった。 だが、ウードがボスの過去も未来も書き換える〈ある秘密〉を打ち明ける──。
https://gaga.ne.jp/puan/about/index.html
「プアン」とは
まず日本版のタイトルとなっている「プアン」とは、「友だち」を表す言葉です。
本作は、ウード(アイス・ナッタラット)と、ボス(トー・タナポップ)、二人の「プアン」が巡る青春の物語です。
原題はOne For The Road
原題である「One for the road」は、「帰る前にもう一杯飲もうよ」みたいな意味の英語です。
とても洒落てますよね!
本作の重要な要素である「カクテル」が大きく関わるカッコいいタイトルです。
日本では、友情の方に重きを置いてタイトルをつけた感じですね。
ただのフィール・グッドムービーではない!
今作は、大きく二つの場面に分かれています。
私も初めは、「ああ、こんな感じの爽やか系映画なのね」と思っていましたが、ある程度物語が着地した時に、時計をみると、まだ1時間しか経っていない。
これは何かあるぞ…!と思っていたら、やはりその通り。ただの青春系爽やか映画ではなかったです。
そうそう、「バッド・ジーニアス」も後半が凄かった。
フィール・グッド感の強いside:A
余命僅かのウードと元恋人たちの「今」を語るside:A
こちらは、亡き父のラジオと、音楽と共に、酸いも甘いも振り返る、非常に爽やかなストーリーです。
アイス・ナッタラットとトー・タナポップのカッコよさ。
そして、音楽と、元カノとの別れを振り返りながら、自分の未熟さや後悔を身に染みてゆくという、青春映画らしさ。
これだけでも十分な作品ではあるのですが、やはりすごい仕掛けがありました。それがside:Bです。
衝撃の秘密が明かされるside:B
ボスに打ち明けられた衝撃の秘密を辿るside:B
この秘密に向かって、side:Aがあったとは…。
その導入部分も非常にオシャレかつスリリングで最高です。
どうぞ、まっさらな気持ちで、思う存分驚いちゃってください!
果たして、二人は「プアン」でいられるのでしょうか??
プリム役がとてもキュート
今作では、主に4人の女性が登場します。
みなさんとても魅力的なのですが、その中でも私が特に心を射抜かれたのは、「プリム」です。
プリムを演じるのはヴィオーレット・ウォーティアです。
1993年10月10日。神奈川県横浜市生まれ。タイ人とベルギー人の両親を持つタイの歌手。2013年に歌手オーディション番組The Voice Thailandのシーズン2に応募したことで有名に。ユニバーサルミュージックからアルバムを出している。女優として映画とドラマでも活躍し、出演したタイ映画は『Heart Attack』(15)(邦題『フリーランス』日本で視聴可能)『Die Tomorrow』等。本作ではエンディングソング『Nobody Knows』のタイ語バージョンをタイの国民的シンガーソングライターSTAMPと一緒に歌っている
https://gaga.ne.jp/puan/about/index.html
ハーフだったのですね。納得です。なかなかお目にかかれない美しいルックスをしています。
しかも横浜生まれとは、なんだか親近感も覚えますね!
物語においても、超重要な人物です。ご注目あれ!
タイ人ニューヨーカー
映画に登場する元カノたちは、みなニューヨークで出会った女性です。
そんなにタイ人ニューヨーカーって多いのか?
気になって調べてみました。
2020年の時点で「100%アジア系またはアジア系を含む多人種」と回答した人口の割合が最も高い州は、ハワイ、カリフォルニア、ワシントン、ネバダ、ニュージャージー、ニューヨーク、バージニア、アラスカ、マサチューセッツ、メリーランドです。
https://usfl.com/2021/10/post/131449
アジア系のデータしかありませんでしたが、ニューヨークは6番目。なかなか多い州と言えるでしょう。
また、タイ人に限定すると…
ニューヨーク市クイーンズ区のエルムハーストにある「リトルタイランド(LITTLE THAILAND)」。タイ人コミュニティがあり、タイ料理店などが並ぶことから人々はそう呼ぶそうですが、「リトルタイランド」が正式名称になるようです。2022年7月16日にアメリカのPIX11が伝えています。クイーンズの76番街と79番街の間のウッドサイドアベニューを「リトルタイランド」に改名する法案を承認しました。
https://www.thaich.net/news/20220718gh.htm
「リトルタイランド」と正式に呼ばれるコミュニティがあるほど、人口は多く、タイの料理や文化は根付いていると言えるでしょう。
日本で、タイ料理屋はそこそこの都会でたまにみかけますが、コミュニティまではないですもんね。
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます!
「プアン/友だちと呼ばせて」の見どころと解説をお伝えしました。特にSide:Bは強烈に面白いですし、唸るような構成力です。「女神の継承」といい、タイ映画ムーブメントは間違いなくきています。
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