『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』ジャームッシュが描く吸血鬼の物語

ファンタジー映画

あまりにも吸血鬼として成立した演技とビジュアル

映画『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』を鑑賞しました。

ジム・ジャームッシュの作品です。

2024年4月26日から1週間限定で、シネマートでは、「ジム・ジャームッシュ特集2024」を開催しています。

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その中の作品の一つがこちら。

『パターソン』『ナイト・オン・ザ・プラネット』『コーヒー&シガレッツ』『デッド・ドント・ダイ』などのジム・ジャームッシュ作品を観てきました。

bitotabi
bitotabi

しかし、『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』は今回が初めて。驚きや感動がたくさんありましたので、感想を中心にお伝えしていこうと思います。

ダニー
ダニー

あらすじはこちらです👇

今を生きる吸血鬼たちの孤独と日常をオフビートに描く
この世で一番美しいアダムとイヴの、永遠に続くラヴストーリー。

謎のカリスマ・ミュージシャンとして活躍するアダムは、今を生きる吸血鬼。しかし近年の自己破滅的な人間の行動に抑鬱を抱えていた。そんな時、恋人のイヴは彼が住むデトロイトを訪れる。もちろん彼女も吸血鬼で2人は何世紀も愛し合い、生き続けてきた。久々の再会もつかの間、イヴの破天荒な妹エヴァが現れ、3人の運命は、ゆっくりと変わりはじめる…。

https://longride.jp/library/onlylovers/

吸血鬼だけど

本作、テーマは吸血鬼ですが、全然怖くありません。

基本的にラブストーリーだというのもありますが、ジム・ジャームッシュ作品特有のユーモラスな雰囲気や、洒落た世界観が前面に出ています。

最近だと、ルカ・グァダニーノ監督の『ボーンズアンドオール』も吸血鬼というテーマで描いていましたが、それよりももっと怖くない。そしてお洒落。

主に4人の吸血鬼が登場するのですが、主要な2人はアダムとイブのカップル。

アダムはデトロイトに住むミュージシャンで、現在も今までも数々の名曲を生み出しているという設定。

イブはモロッコとひっそりと読書をしながら暮らすという設定です。

なんか、『ジョジョ』のDIO様を感じさせます笑 

もちろん、吸血鬼なので、血をのむシーンは登場しますが、それすらも甘美な雰囲気で魅せてくれるんです。

 



キャストのマッチ具合が凄まじい

『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』で吸血鬼のカップルを演じるのは、ティルダ・スウィントンとトム・ヒドルストン。

この二人のビジュアルと演技がとにかくいい。吸血鬼がいたらこんな感じだろうなという説得力があるんですよ。

若干気怠そうな雰囲気でありながら、気品が漂っている。

髪の毛のボサボサ感もいい。

ベッドで抱き合いながら眠るシーンなんか、本当に絵になるなと思いました。

他二人の吸血鬼を演じるのは、ミア・ワシコウスカと名優ジョン・ハート。

この二人の存在もまた、吸血鬼にも個性があるのだということを分かりやすく伝えてくれるんですよね。

奔放過ぎて周りに迷惑をかける若い吸血鬼をミア・ワシコウスカが。

吸血鬼にも死があるんだという設定を、その演技で魅せるジョン・ハート。

素晴らしいと思います

 



ここにも注目!かっこいい仕掛け

あと、この映画を観て思わず唸ってしまったのが、カメラワークとドクターのセリフです。

カメラワークはもう、冒頭からハートを鷲掴みにされますよ。

レコードの回転と共に、アダムとイブの二人を天井から撮るショット。

めちゃくちゃカッコイイです。かっこよすぎてにやけます。

あと、血を飲むシーンも最高。

アダム、イブ、キットの三人がそれぞれ別の場所で飲むシーンを代わる代わる映すんですが、これが

なんというかもう、甘美なんですよね。美味そうに飲むんです。

飲み干した後の恍惚の表情。そしてチラリと見える牙。

彼らは吸血鬼なんだ…。血は彼らのごちそうなんだ…。ということを感じます。

このシーンだけでも、もう一度この映画を観たいと思わせる力があるように思いました。

 



また、映画でアダムに血を提供する医者がいるんですが、このセリフが面白い。

映画好きのキャラクターなのか、アダムとの別れ際に、じゃあな…

「ドクター・ストレンジラブ」とか

「ドクター・カリガリ」とか

言うんですよ!

これはもうたまらん。

「ドクター・ストレンジラブ」はキューブリックの『博士の異常な愛情』のストレンジラブ博士。

「ドクター・カリガリ」はドイツの革命的な映画『カリガリ博士』からとっています。

こういうことするから、ジャームッシュって大好きなんだよ!

今日の映学

最後までお読みいただきありがとうございます!

映画『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』の感想や見どころを紹介しました。

bitotabi
bitotabi

こんなにユーモラスで甘美でお洒落な吸血鬼を描けるのは、ジャームッシュだけ!

ダニー
ダニー

キャスティングも最高だね!

 

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