『オッペンハイマー』ロスアラモスと赤ん坊の涙について【ネタバレあり解説】

ドキュメント・ノンフィクション系映画

実際に目にするまで、人は恐怖を覚えない

映画『オッペンハイマー』をTOHOシネマズで鑑賞しました。

すごい作品でした。

流石はクリストファー・ノーランという感じ。

bitotabi
bitotabi

まだ1回目の鑑賞で分からないことだらけなので、今回は感想を中心に私が気づいた事や気になった事をお伝えしていきます。

ダニー
ダニー

ネタバレありだから気をつけてね!

 



どうしてオッペンハイマーは許可したか

まず、最も気になるのが、原爆の父オッペンハイマーを扱うというナーバスさ。

どうしてオッペンハイマーが日本への原爆投下を許可してしまったのか。憎きナチスドイツは壊滅したのに原爆を兵器として使う必要があったのか。

これは、核の恐怖を知らしめることで、戦争を終わらせようという狙いだったんですね。

いささかぶっ飛んだ考えかたのようですが、日本へ米兵を送り込むことによる、双方の犠牲者は計り知れず、むしろ原爆を落とした方が被害は少なくて済むと考えたんです。

とはいえ、オッペンハイマーは、原爆の威力の凄まじさや、広島長崎の人々に与えた悲惨な影響を見せられ、罪悪感に苦しんでいました。

終盤でストローズがオッペンハイマーに対して

「偽りの罪悪感だ」みたいなことを言うんですが、

これがどっちなのかは気になるところ。普通の神経の人間だったら、苦しみ悶え悩み続けると思うんですが、あの人物ですからね…。何とも言えないところです。

また、冒頭にプロメテウスは火を与え…という一節が出てきます。途中にも一度出てきましたね。

「プロメテウス」はギリシャ神話に登場する神の名前で、人間に火を与えたことで神の世界から追放されてしまうんです。

 



核開発の町ロスアラモス

https://www.oppenheimermovie.jp

『オッペンハイマー』の舞台の一つであるロスアラモス。核開発のために家や店が建ち、ちょっとした町のようになっていきます。

ウェス・アンダーソン監督の『アステロイド・シティ』という作品も非常に似たような景色なんです。

実は『アステロイド・シティ』はロスアラモスを意識した作品なんです。

1940~50年頃を描いていますし、天才たちが集まる点や、砂漠にある町というのも同じ。

隕石が落ちて大きなクレーターが出来たのいうのも、爆破実験の揶揄しているのでしょう。

赤ん坊が伝えること

本作では、オッペンハイマーの赤ん坊が何度か出てきます。

でも、いつも泣き叫んでいるんですよ。

赤ん坊が泣くシーンは、

「オッペンハイマーがマンハッタン計画に参加することが決まった時」

「原子力爆弾の実験が成功した時」

の2度あります。(もしかしたらもう1回あったかも)

どちらも、未来に恐怖と破壊を生み出すターニングポイントなんですね。

赤ん坊=未来 という鍵になっているわけであります。

 



妻は言う

前回の記事でクリストファー・ノーラン作品においてパートナーの存在が重要であると解説しました。

『オッペンハイマー』において、オッペンハイマーの妻キティは、

「闘いなさい」

というセリフを、オッペンハイマーに向かって2度投げかけます。

「ここまで来た以上、闘いぬきなさい」「罪を背負って闘いなさい」「自分のために闘いなさい」「私のために闘いなさい」

様々な解釈ができるセリフでした…。

まだ自分なりの意見が固まっておりませんので、2回目の鑑賞後にまたお伝えしようと思います。

今日の映学

最後までお読みいただきありがとうございます!

映画『オッペンハイマー』の感想や解説をお伝えしました。

bitotabi
bitotabi

解説が漏れてしまいましたが、特殊効果も凄かったです。キューブリックの『2001年宇宙の旅』を思わせる芸術的なシーンでした。

ダニー
ダニー

あと何回観ればいろいろ分かるだろ。

 

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