夢に見るのもつらいくらい会いたかった
映画『パリ、テキサス』をAmazon Prime Videoで鑑賞しました。
割と最近、午前十時の映画祭で劇場鑑賞したんですが、Amazon Prime Videoで観放題追加されていたので改めて。
この映画、やっぱり好きです。
画の美しさと、セリフがいい。特に終盤。
今回の記事では、『パリ、テキサス』を観た感想と、心に響いたセリフ、ついでに映画にまつわる豆知識も紹介していきます。ネタバレをふくみますので、未鑑賞人はご注意を。
どんな映画か忘れちゃった人はこの記事を読んでからどうぞ!
『パリ、テキサス』率直な感想
『パリ、テキサス』を2回目に鑑賞した訳ですが、それなりに一度目と印象は変わりました。
まず、今回はストーリーを概ね把握できていましたので、画の方にも注目することができました。
この映画、めちゃくちゃキレイなんですよね。
序盤ではアメリカの田舎の景色を映して、
中盤は小高い丘の上にある家からの景色を見せたり(ここは小津安二郎の映画を感じさせます)
終盤はジェーンのカラフルな衣装で魅せてくれます。
ストーリーに関して言えば、いろいろなことを飲み込まないと楽しめない映画だなと。
「これは映画だ」と割り切って。
というのも、私は観ていて、弟と妻が哀れで仕方が無いんですよ。
あんなに親切にしたうえに、子どもを奪われてしまうという。
ハンターと電話するシーンはもう本当にキツイ。
と、若干弟夫婦の方に感情移入してしまったわけですが、
それでもラストのジェーンとトラヴィスの会話シーンは秀逸。
あのシーン、めちゃくちゃメロドラマっぽい甘いセリフが多いんですよね。
それに関してはまた次の項で紹介します。
そして、クライマックスのトラヴィスの運転シーンは、『PERFECT DAYS』と同じ雰囲気を感じさせます。
一つ気になったのが、ホームビデオのシーン。
トラヴィスの回想によると、ハンターが生まれてからはトラヴィスの方がジェーンに歩み寄っていったというか、気を使っていたとのことでしたが、映像を観ると、ジェーンはトラヴィスにぞっこんな感じなんですよね。
まあ、これに関して言えば、あまり深い狙いはなく、撮影を進めていくうちに何かしら変えてったのかなあと思います。
とにかく、これもメロメロですね。
『パリ、テキサス』名台詞
- Jane:
- 英語: “I used to make long speeches to you after you left. I used to talk to you all the time, even though I was alone. I walked around for months talking to you. Now I don’t know what to say. It was easier when I just imagined you.”
- 日本語字幕: 「あなたが去った後、長い会話をしていわ。いつもあなたに話しかけていたの、一人でいても。何ヶ月もあなたに話しかけていた。今は何を言えばいいのかわからない。想像しているだけの方が簡単だった。」
- Travis:
- 英語: “He thought if she never got jealous of him that she didn’t really care about him. Jealousy was a sign of her love for him.”
- 日本語字幕: 「彼は、彼女が嫉妬しなければ自分を本当に愛していないと思っていた。嫉妬は彼女の愛の証だと。」
Travis:
- 英語: “She told him that she dreamed about escaping. That was all she dreamed about: escape. She saw herself at night running naked down a highway, running across fields, running down riverbeds, always running.”
- 日本語字幕: 「彼女は逃げる夢を見たと言った。それが彼女の唯一の夢だった。夜、裸でハイウェイを走り、野原を駆け抜け、川の底を走り続ける自分を見た。」
Hunter:
- 英語: “Papa turn left.”
- 日本語字幕: 「パパ、左だよ」
ハンターはあの時、トラヴィスの葛藤を見抜いていたのかもしれませんよね。
『パリ、テキサス』豆知識
ハリー・ディーン・スタントンのお気に入り:主演のハリー・ディーン・スタントンは、この映画を自身のフィルモグラフィーの中で最もお気に入りの作品としています。
音楽の中心:映画のサウンドトラックは、ライ・クーダーがブルースギタリストのブラインド・ウィリー・ジョンソンの1927年の曲「Dark Was the Night」を再現したものが中心となっています。
無口なトラヴィス:トラヴィス(ハリー・ディーン・スタントン)は、映画が始まってから26分間、一言も話しません。
カート・コバーンとエリオット・スミスの影響:ミュージシャンのカート・コバーンとエリオット・スミスは、この映画を彼らの一番好きな映画と公言していました。
撮影中の家族のメッセージ:テキサスの空港のシーンで、ディーン・ストックウェルのキャラクターが電話をしているとき、PAアナウンスで「ジョイ・ストックウェルへのメッセージ、ジョイ・ストックウェル。オースティンはすぐに到着します」と聞こえます。ジョイはディーンの妻で、オースティンは撮影中に生まれた彼の息子です。
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます!
映画『パリ、テキサス』について解説しました。
セリフも画も素晴らしい映画です。
メロメロのメロドラマだよね。
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