『プレゼンス 存在』を鑑賞しました。
デヴィッド・コープ脚本×スティーブン・ソダーバーグ監督作ということで、なかなか注目度の高い作品なのではないでしょうか。

前半はネタバレなし、後半はネタバレありの解説だよ!

若干、結末が難解な映画なので、詳しく解説をさせていただこうと思います。
作品概要
[それ]は、一家が引っ越してくる前からそこにいる。
[それ]は人に見られたくない家族の秘密を目撃する。
母親にも兄にも好かれていない 10代の少女クロエに異常なまでに親近感を持つ。
彼女に何かを求めているのか、いや、必要としているのか。
家族と一緒に過ごしていくうちに、 [その存在]は目的を果たすために行動に出る。
https://longride.jp/presence/
『セックスと嘘とビデオテープ』(1989)で1989年カンヌ国際映画祭パルムドールを受賞。『トラフィック』(2000)で米アカデミー賞を受賞という輝かしい経歴に加え、『オーシャンズ』シリーズも手掛けたスティーヴン・ソダーバーグの最新作です。
さらに脚本は『カリートの道』(1993)、『ジュラシック・パーク』(1993)、『ザ・ペーパー』(1994)、『ミッション:インポッシブル』(1996)など数々の名作を手掛けたデヴィッド・コープ。
二人の名匠がタッグを組んだわけですね。これは見逃せません。
で、二人の手掛けた作品を観れば分かると思いますが、『プレゼンス 存在』は、そんな両名からはやや印象しがたい、幽霊がテーマの映画になります。

ホラーなのか?ドラマなのか?サスペンスなのか?そのあたりをまずは解説していきましょう。
ネタバレなし解説
タイトルの『Presence』は「存在が確認できる幽霊」という意味だそうです。結構便利な言葉なのにこれまでタイトルにならなかったのが意外ですよね。
で、こちらの作品、幽霊がテーマですが、ホラーではありません。
どちらかというと家族ドラマ、あるいはサスペンス的な要素が強い作品になります。
全編通して、幽霊の目線で描かれるので、幽霊自体が映ることもありません。全然怖くないです。
家族の行く末と、幽霊の正体が気になるストーリーでした。
物語の中心となるのは、引っ越しで再スタートを図るものの、ギクシャクしたある家族。
その大きな要因の一つが、娘の親友が亡くなってしまったことなんですね。
親友がオーバードーズで亡くなってしまい、そこから塞ぎこむようになってしまった娘。
兄もティーンエージャーなので、そんなウジウジした妹を快く思わないんですね。兄はスポーツ優秀で、スクールカーストめちゃくちゃ上位なんです。
母親がこれまた、曲者で、兄の方を明らかに贔屓するというか、愛情を注いでいる風。
父親は、傷心の娘がいながら、そんな兄と母の態度をよく思わないけれど、強く自分の意見を伝えることはできずにいる。
そんな家族なんです。
新しい家での暮らしが始まるものの、娘は怪奇現象だったり、誰かの視線を感じたりとかするわけです。
で、家で起きる怪奇現象というのは、どうもこの娘を守ろうとしようとしてるような節がある。
幽霊は娘にシンパシーを感じているというか、守護霊的なもののように働いているように思えるのです。
幽霊の正体は、亡くなった親友なのか。
それとも、全く関係のない存在なのか。
はたまた、実は恐ろしい存在なのか。
そして、この家族は一体どうなっていくのか。
こういったことを幽霊の目線で追っていくストーリーになります。
私は、かなり好きな作品でした。

次項はネタバレありの解説になります。
ネタバレあり解説
結論から申し上げますと、幽霊の正体はお兄ちゃんの霊だったのです。
そして、妹の親友を殺した犯人は、ライアンだったことが分かります。
最終的にお兄ちゃんは、妹を守るためにライアンを窓から突き落とし、絶命します。
ライアンから、お兄ちゃんは幽霊となって、妹を守ろうとしてくれていたんですね。
幽霊とはいえ、お兄ちゃんが二人存在するのはどういうことか。ここを解説しておきましょう。
ストーリーの中で霊能力を持つ女性が出てくるのですが、彼女が言うには、
「この家に現れる幽霊は過去にも現在にも未来にもとらわれない、非常にふわふわした存在だ」
というのです。
つまり、幽霊は5次元的な動きが出来る存在なんですね。『インターステラー』と同じです。あれも、はじめ本棚に現れるのは幽霊だって言われてましたよね。
だから、未来から現在へと、お兄ちゃんは妹を守るために霊体としてやってきたというわけなんです。
あの家の中で起こった怪異現象は、妹を守るものだったり、兄が自分を戒めるものばかりでしたよね。
そして、最後の最後に、幽霊の外見があの鏡で分かると。こういった結末だったわけであります。
そもそも、ライアンを連れてこないようにすればええやんと思いたくなるところですが、多分、お兄ちゃんは地縛霊なんでしょうね。地縛霊の方が、強いらしいですし。
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます。
『プレゼンス 存在』について解説しました。

恐さではなく、感動を味わえるとは思いませんでした。面白かったです。

『インターステラー』要素が出てくるとは思わなかったよね。
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