午前十時の映画祭にて、「空の大怪獣ラドン」を鑑賞してきました。
私が午前十時の映画祭を鑑賞するのは、大体決まってTOHOシネマズなんば。
TOHOシネマズなんばユーザーならご存知かと思いますが、午前十時の映画祭や、リバイバル上映回は、OIOIの本館ではなく、離れの別館にて上映されます。
しかし、画像をよくご覧いただきたい。
今回はなんと本館、しかも1番スクリーンだったのです。
めっちゃ大きいスクリーンです。
非常に嬉しい体験でした。
(いつも通り別館を目指し、5分前に本館上映だと知ったため、走って向かって汗だくになったのも、今ではいい思い出です笑)
私は「空の大怪獣ラドン」を今回初めて鑑賞しました。
見事な特撮。もうあっぱれでした。
加えて、ストーリーも子ども向けではなく、非常にシリアスでドラマチックでした。
今回の記事では、東宝怪獣映画の傑作「空の大怪獣ラドン」の見どころをご紹介させていただきます。
作品概要
『ゴジラ』『モスラ』と並ぶ東宝怪獣映画の代表作。核実験と異常気象の影響で太古の翼竜プテラノドンが突然変異を遂げ、九州・阿蘇山に出現。火口から飛び立ち、自衛隊戦闘機と空中戦を繰り広げた後、福岡に襲来。巨大な翼が巻き起こす突風と衝撃波が街を破壊する。円谷英二特技監督の指揮下、精緻を極めたミニチュア美術が驚異的。
午前十時の映画祭HPより引用
九州・阿蘇。坑道内で炭鉱夫たちが次々と水中に引き込まれて惨殺される連続殺人事件が発生。ある夜、遂に姿を現したその犯人は、体長2メートルを超える古代トンボの幼虫メガヌロンだった。炭鉱技師の河村(佐原健二)は、自衛隊とともに坑道内に逃げ込んだ怪物を追うが、機関銃掃射の衝撃で落盤が発生、生き埋めになってしまう。後に河村は記憶喪失状態で発見されるが、その頃、世界各地で正体不明の超音速飛行物体が目撃されていたー。
それではここから、作品の見どころについて、解説させていただきます!
特撮ファンの皆様、どうかお手柔らかに…。
ミニチュアの再現度
今作で最も評価されている部分ではないでしょうか。
ミニチュアの再現度や精緻性が素晴らしいです。
福岡をはじめとした九州の街並みや、山々はどれも見事です。
ところどころ、風景かと思いきや、ラドンがぬっと現れるので”ミニチュアだったのか!!”と驚かされました。
中でもすごいのが、ラドンが海の近くで低空飛行するシーン。
西海橋という橋が、ラドンの飛行によって発生したソニックブームで崩れ落ちます。
このシーンの再現性の高さは当時も評判を呼び、本当に西海橋が崩れたと思って観に行った人がいたという逸話もございます。
ちなみに、ラドンが上陸して暴れる博多の街並みは、防犯上の理由で市から図面の提供を受けられなかったため、スタッフが4日間かけて歩いて図面に起こしたそうです。うーん、伊能忠敬。
爆破シーン
クライマックスの爆破シーンも鮮やかでした。
観ていて清々しさを覚えます。
”映画の爆破シーンが好きで好きでたまらない”
”この映画の火薬には見事だ”
とかいう人の鼻息の荒さの意味が、私にはよく分かりませんでしたが、今作を見てようやく分かりました。
あのテンポのよさと、楽しんで作っているだろう雰囲気。
たまりませんねぇ。
なんだかロマンのようなものすら感じます。
また、同じくラストシーンの、溶岩の再現性も高いです。あれは実際に鉄を溶かしたものを使用しています。CGでは表現できない味わいがありますね。
空中戦
ラドンと戦闘機による空中戦も注目すべきポイントです。
元々、円谷さんは、飛行機好きなので、こういった空中アクションを撮りたかったのでしょう。
ゴジラでは表現できなかった、空飛ぶ怪獣。
そしてそれを追う戦闘機。
迫力がありますよ。
特に、戦闘機やラドンを後ろから追いかけるように撮影するシーンは、リアリティがあります。
ピアノ線もご愛敬です。あれも込みで、特撮の力強さを感じました。
シリアスなストーリー
今作の素晴らしさは、特撮のみならず、そのストーリーにもあります。
全体的に、子ども向けではない、シリアスな内容です。
怪獣映画、特撮映画というと、どうしてもいつの頃からか、子ども向け作品になり、怪獣と怪獣が対決して大暴れ!!みたいなストーリー展開をイメージしがちです。
しかし、今作は、”初期ゴジラ”や、最近でいうと庵野秀明作品”シン・ゴジラ”、”シン・ウルトマラン”のような、どこが現実的でドラマチックな味わいがあります。
炭鉱夫の死体が発見され、犯人は誰かという、一見サスペンスドラマのような冒頭から始まります。
原因を探りつつ、20分が経過したくらいに、ようやくメガヌロンというヤゴのような怪獣が登場します。
そこからラドンを翼やシルエットのみで見せ、全身が登場する頃には映画の半分くらいが経過しています。
この焦らしが非常にうまい!
緩急があるので、飽きがこない、個の脚本は見事です。
登場してからの生態解明や、作戦なども、生物学的、科学的で非常に楽しい。このあたり、シン・ゴジラはリスペクトして作ったことがうかがえますね。
ラストシーン
また、ラストシーンのドラマチックさも、感動的です。
初見の私はラストで ”んっ?” と思いました。
ラドンが2頭飛んでいたからです。
どうやら、ラドンは親ラドンと子ラドンの2頭が存在したようです。
そういえば初登場(回想シーン)時も、卵から孵ったヒナと、もう一体でかいのがメガロドンを啄んでいたような気がします。
ラストシーンで2頭揃って出てくるのですが、子ラドンの方が落ちてしまいます。
それに寄り添うように、親ラドンも落ち、一緒に溶岩でその身が焼けていく…。
非常にドラマチックなこのラスト、実はアクシデントによって生まれた奇蹟だったのです。
当初の脚本では、2頭のラドンが飛び去って終わる予定でしたが、溶岩を模して使用された溶鉄の熱さによって、ピアノ線が溶け、ラドンのコントロールができなくなってしまいました。
それを円谷さんは止めずにそのまま続行し、結果として2頭が寄り添うようなかたちになり、あの美しいエンディングへとなった訳であります。
これもまた、特撮ロマンですね…。
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます!
「空の大怪獣ラドン」の見どころを紹介しました。
特撮のロマンがたっぷり詰まった傑作です!
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