「霊幻道士」をアマゾンプライムビデオで鑑賞。
最近、香港映画が気になっています。
メジャー作品ながら、今回が初めての鑑賞でした。
1985年公開の香港コメディです。
ホラー・アクション・コメディの要素が、意外としっかり詰まった作品です。
今回の記事では「霊幻道士」の見どころとともに、主演のラム・チェンインや、キョンシーの歴史的背景、中国で火葬が嫌がれる理由もお伝えします!
バランスがいい
意外とバランス感が優れた作品でした。
コメディ中心ですが、アクションがしっかりしているので見ごたえがあります。
適度にゴア表現があるのも面白いです。顔のただれた幽霊とか。
また、主人公はもとより、弟子や、警察、キョンシー、実の弟、幽霊など、登場キャラクターがみんなそれなりに活躍するのがいいです。
みんなで解決に向かう心地よさを感じられました。
キョンシーブームの火付け役
やはり今作の偉大な点は、キョンシーブームに火をつけたところでしょう。
今作と「幽幻道士」がキョンシーの地位を磐石のものにしました。
「幽幻道士」は「霊幻道士」を基にして作られた台湾映画で、いわば乗っかったかたち。
オリジンはやはり「霊幻道士」で間違いありません。
ストーリーの面白さも、アクションも、「霊幻道士」の方が数段上ですが、いかんせん、テンテンが可愛いので、あちらも強い笑
ピョンピョン動く理由
キョンシーと言えば、両手を前に伸ばして、両足を揃えてピョンピョン移動するのを想像しますよね。
あれは、死者で身体が固まっているため、関節が曲がらないことが理由です。(じゃあどうやってジャンプしてるんだよとは思いますが…)
キョンシーの由来と、行列の理由
キョンシーの由来や、なぜ行列や行進が多くみられるのかを解説します。
「趕屍(かんし)」
https://waqwaq-j.com/%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E7%A5%9E%E8%A9%B1/9564/
かつて、中国湖南省では、出稼ぎ先で死んだ労働者の遺体や、明・清の戦乱の時代、多数出た死者を故郷に運ぶため、道士が呪術を用いて移動させたという伝承があり、この方法を趕屍(かんし)といいます。
ただし、死後間もない死者は死後硬直のため身体が硬いので、歩くことは出来ずに飛び跳ねます。それらの遺体を縄で縛り、夜になると鈴を鳴らし、一列に整列させて、暴走しないように額に黄色いお札を貼り付け、移動させます。
たくさん人が死んだ時代であったという背景があるのですね。
たしかに、今作でもラム・チェンインの弟役が、キョンシーを運ぶ仕事をしていました。
キョンシーを蹴られて怒っていたのはそういう理由だったのか。
ラム・チェンイン
主演のラム・チェンインについて、いくつかこぼれ話を紹介します。
弟子のほうが大分年上
師匠のラム・チェンインより、弟子のリッキー・ホイのほうが6つほど年上です。
メイクが雑すぎて、ラム・チェンインの若さがバレバレです笑
というか、このDVDや、ポスターと、作中との見た目が全然違います。もっと変な、眉毛つながりおじいさんのメイクです笑
ブルース・リーと闘ったのは彼ではない
「ドラゴン怒りの鉄拳」でブルース・リーと闘ったでかい日本人(かなりいい役)が、ラム・チェンインだと思われがちですが、あれは、ピーター・チャンという俳優だそう。
ラム・チェンインは、道場の掃除中にブルース・リーにあっさりやられるチョイ役です笑
でも、「燃えよドラゴン」にも「ブルース・リーの生と死」にも出ていたので、かなり親密で長い付き合いだったのではないかと思われます。
火葬について
今作の中で
「火葬だけは勘弁してくれ!」というセリフや、
ラストの燃えるキョンシーを見つめる切ない表情から、
火葬に対するネガティブな気持ちが感じられました。
気になって調べたところ、中国では現在も土葬の風習が根強く残っているそうです。
先祖崇拝を重んじる「儒教」の影響や「遺体を燃やすと成仏できない」という伝承から、火葬がNGとなるケースが、今でもあるそうです。
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます!
キョンシーブームの火付け役「霊幻道士」について解説しました。
ツッコミどころも多いですが、アクションもストーリーも面白いです。
アマゾンプライムビデオで観られるので、ぜひ。
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