ハンガリーでは”そろばん”を使う。
だからこそ、トミー谷。
「リザとキツネと恋する死者たち」を鑑賞しました。
ハンガリーの映画です。
この映画、ストーリーもコメディとホラーを絶妙にフュージョンさせていて見事なのですが、特筆すべきは日本カルチャーがふんだんに登場するところです。
ハンガリー映画で、日本???
今回の記事では、「リザとキツネと恋する死者たち」に出てくる日本カルチャーや、俳優、日本とハンガリーの意外な繋がりについても解説いたします!
STORY
1970年代のブダペスト。日本の恋愛小説と、彼女だけに見えるユーレイ日本人歌手“トミー谷”が心のよりどころのリザ。30歳の誕生日に住み込み先の元日本大使未亡人に許可をもらい、素敵な出会いを求め外出するが、その間に未亡人が殺害されてしまう。刑事ゾルタンが捜査を命じられるが、リザに殺人の気配はない…。恋に恋する彼女が巻き込まれる連続殺人事件。その影にチラつくキツネの呪い。果たして孤独なリザに幸せはやってくるのか―。
Amazon Prime Videoより引用
それではここから、作品の魅力と、登場する日本カルチャーについて解説していきます!
デビット・サクライ
今作で”トミー谷”という日本人歌手の幽霊といういまだかつて誰も演じたことがないであろう役を演じたデビッド・サクライ。
実は、ファンタスティック・ビーストにも出演していた俳優なのです。
ハンガリーではなく、デンマークと日本のハーフ。
18歳の時に来日して、8年間俳優として修行し、その後ハリウッドデビューとなりました。
今作ではずっと緑の衣装を着ていますが、実はすごくマッチョです。
”トミー谷”という名前の理由については次項で解説します👇👇
日本カルチャー
ここからは、劇中に登場する日本カルチャーについて解説していきます。
トミー谷
名前でピンときた人もおられるでしょうが、”トニー谷”をモデルにしたキャラクターです。
”ト二ー谷”は、昭和に活躍した人物で、リズムに乗りそろばんを楽器のようにかき鳴らす珍芸や司会業などマルチにこなしたタレントです。
幽霊として登場する訳ですが、どのような役なのかはぜひ映画を観てご確認ください!
とても面白いキャラクターですよ。
日本文学
主人公が心の拠り所にするのは、なんと日本の文学作品です。
劇中では大して有名でない作品という設定のようでした。
”桃色の空の下で” 著:庵造みどり
と確認できました。
元ネタが何なのか、気になりますね!
日本国旗
日本国旗も密かに登場します。
見逃しがちですが、主要キャラクター刑事ゾルタンの後頭部にご注目ください。
最後まで日の丸ついてます笑
九尾の狐伝説
今作は監督が栃木県那須に遊びに行った際に「九尾の狐伝説」を知ったことで生まれた作品だそうです。
九尾の狐伝説は、日本以外でも、中国・韓国などでも広く言い伝えられた伝説です。
美女に化けた狐の妖怪が、男を翻弄したり、殺害したという恐ろしいながらファンタジックな伝説です。
ストーリーもかなり近しい部分がありますし、添付した絵画が登場するなど、多分に味わうことができました。
ハンガリーと日本
ハンガリーと日本には意外な共通点がいくつかございます。
ひとつは温泉。
ブダペストにはまるで宮殿のような豪華な建物の中に巨大な露天風呂があり、一度に2000人以上も入浴できます。
スーパースーパースーパー銭湯ですね笑
さらに、お辞儀の習慣まであります。
また、名字と名前の順番が日本と同じなのは、ヨーロッパではハンガリーだけです。
最も驚くべきは、300校以上の小学校で“そろばん”が使われていたことです。
トミー谷が選ばれたのはこの辺が理由なのかもしれませんね!
くわえて、ハンガリーでは、スズキの自動車工業が盛んです。
ハンガリーは1989年まで社会主義国家でしたが、議会制民主主義への体制転換後は経済開放を進め、中央ヨーロッパのものづくり国家の代表格へと成長を遂げ、30年かけてその地位を不動のものにしました。
とりわけ自動車産業は、ヨーロッパ全体を見渡しても優等生で、最も成功しているのはスズキの現地法人「マジャール・スズキ」です。
また、デンソーなどの自動車部品メーカーも数多く進出しています。ハンガリーに進出している日本企業は、製造業を中心に160社以上に及ぶほどです。
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます!
「リザとキツネと恋する死者たち」を通じて、日本とハンガリーの繋がりを解説いたしました!
ストーリーもかなり面白いので、ぜひご鑑賞ください!!
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