思いっきり引っぱたいてくれたのが、嬉しかったんだ
『リアル・ペイン 心の旅』を鑑賞しました。
ジェシー・アイゼンバーグが監督・脚本・主演を務めている作品です。
ニューヨークに住むユダヤ人の従兄弟同士の二人が、亡くなった祖母の遺言に従って再会し、共にポーランドを訪れるロードムービー。
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ジェシー・アイゼンバーグって、『ソーシャルネットワーク』でザッカーバーグを演じてた人だよね?
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そうだね。彼は名前から分かるように、本当にユダヤ人なんです。しかも、この映画通り、ポーランドにルーツを持っています。
今回の記事では『リアル・ペイン 心の旅』の解説をお届けしますが、ストーリーに関するネタバレはないので、観る前の人も安心してお読みください。
アイゼンバーグの先祖はポーランドとウクライナ出身のユダヤ人でした。
彼の母方の曾祖母であるハイマン・メンデルソーンは、ポーランドのクラスニシュタウで生まれました。
父方の曽祖父であるサム・アイゼンバーグもポーランド出身。
アイゼンバーグの叔母、マリア・グレーバーはポーランドのシュチェチンに住んでいます。
こういった先祖のルーツから、アイゼンバーグは、ポーランドに強いつながりを感じており、ポーランドとユダヤ人の関係を改善したいと述べています。
彼はまた、家族の歴史をもう一度結び付けたいとも語ったそうです。
そういった思いから『リアル・ペイン』は生まれたんですね。
ホロコースト生存者の祖母が亡くなった後、自分たちのルーツを学ぶためにポーランドを訪れる2人のアメリカ人のいとこについての物語である本作は、クラスニシュタウ、ワルシャワ、マイダネクの旧強制収容所などポーランドを中心に撮影されました。
一見重いテーマなんですが、本作の全体的な仕上がりはコメディ調。時に笑いながら、明るい気持ちで観ることができました。でも、決してふざけているわけじゃないんです。
アイゼンバーグ演じるデヴィッドは堅物系のユダヤ人で、キーラン・カルキン演じるベンジーは軽くてだらしない感じ。
ユダヤ人って、割とこういうお堅く成功する人と、コメディアンみたいな人に分かれるらしいんですよ。そういったところも楽しく描いているんだなと。ユダヤ人のアイゼンバーグが作っているからこそ、嫌味がなくていいですよね。
で、最初こそ、ベンジーの不謹慎さとか、いい加減さに呆れてしまうんですが、だんだんと彼の良さが分かってきて、ただふざけてるだけじゃなく、キチンと追悼していることが分かってくる。むしろ、彼の方が祖母の死とかポーランドで暮らしていたユダヤ人の気持ちに向き合っているんだなということに気づいてくるんですよね。
気づいたら逆転してるんですよ。それがこの映画の素敵なところだなと。
もう一つこの映画の優れたところがございまして、
この映画をご覧になった方はお分かりいただけると思うんですが、ポーランドの街を実に美しく描いているんですよね。一度行ってみたいなと思うほどに。(料理は酸っぱいものが多いような描写でしたが笑)
この、街並みを美しく映すというのは、同じユダヤ人ニューヨーカーである、ウディ・アレンの作品を彷彿とさせるものがありました。
本作ではアイゼンバーグにとって想いの強いポーランドと、ユダヤ人に関するものがテーマでしたが、次はニューヨークを舞台にした作品も観てみたいなと期待が高まります。
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最後までお読みいただきありがとうございます!
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『リアル・ペイン 心の旅』の感想と見どころをお伝えしました。
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