日本で最後に、社会現象になった女
「貞子」。
日本を代表するホラーアイコン。
本名は山村 貞子。
鈴木光司の小説およびその映像化作品『リング』シリーズに登場する架空のキャラクター。
なぜ今回「貞子」について記事を書こうかと思ったか。
まずはその動機と共に、貞子の凄さについて語っていきましょう。
怖そう。
日本を代表するホラーアイコン
私は現在フィリピンで英会話の勉強をしています。
フィリピン人講師や、韓国、中国、台湾などの人々と映画の話で盛り上がることも何度かありました。
ホラー映画について話す時、「貞子」の名前がかなりの頻度で出てくるんです。
本当にメジャーなんだなと実感します。
お岩さんや鬼太郎など、幽霊や妖怪の類のキャラクターはたくさんいますが、ここまでワールドワイドに知られているのって、「貞子」だけなんじゃないでしょうか。
2019年には「ニューズウィーク誌」にて「世界が尊敬する日本人100」になんと怨霊として初めて選出されました。
もはや、「チャッキー」とか「ジェイソン」「フレディ」「ペニーワイズ」なんかと変わらない存在なんだと思います。
案外、大谷翔平よりも有名なんじゃないかな?
そして、「貞子」の知名度と比例して、『リング』のあのじめっとした恐怖。ジャパニーズホラーの恐さも、海外に届けることができたはずです。
まず、これが最もすごいところでしょう。
少年少女を狂わせる
「貞子」の存在及び『リング』は、一種の社会現象となりました。
私は当時小学生だったので、それはもう本当に恐かった。
しばらくテレビのある部屋で寝るのが恐くてたまらなかったし、お風呂で目をつぶるのも恐いほどでした。
また、割としょっちゅうテレビで放映してたんですよね…。一瞬映るだけでも恐いから、ザッピングするのが大変でした。
とにかく、「貞子」がテレビから出てくるあのシーンを観ちゃったら、しばらくは恐い気持ちを引きずってしまう。そんな威力の高い作品だったんです。
私なんてまだマシなほうで、当時の同級生には、一週間の呪いを信じ込んで、恐くて学校に行けなくなったやつもいました。
本当、そういう話がたくさんあるんですよ。
霊障に近いような影響が社会的に起こってしまったんです。
これは本当にすごいことだと思います。
お岩さんとか、口裂け女以来だし、そういう怖い噂とか怖い話が生活にまで影響を及ぼしたのって、「貞子」が最後なんじゃないでしょうか。
多分『呪怨』とか『着信アリ』ではそこまでいってないはず。
奇跡的ともいえるヒット
「貞子」のデザインとか動きって、別段新しいことはないんですよ。
髪の毛の長い女の人ならば誰でもマネできるシンプルさがヒットした秘訣なのかもしれませんが、貞子のビジュアル自体は伝統的な日本の幽霊の形態を踏襲しただけにすぎず、新しい要素は何もありません。
テレビから出てくることを除いては、貞子は白い服を着てボーッと立っているだけ。
昔からある怖い幽霊表現を突き詰めた結果です。
そして肝心なのが「ビデオテープ」。
急速に広がっていったビデオテープ。ダビングして映画やドラマをシェアしていた時代。
映す・伝える・広げるメディアとして、当時最先端だったものなんです。
不幸の手紙の最新版。
このシンプルさが逆に新鮮に映ったタイミングと、ビデオテープという当時身近すぎるものを使ったテーマが見事に重なって、『リング』は傑作となったわけです。
しかもあのテーマ曲も、別に恐さで採用した訳じゃなく、ただのタイアップ曲だったんだとか。
あの曲もうまい事恐く感じるような歌詞に捉えられ、「貞子ブーム」を加速させるスパイスとなったんですね。
そして、今となってはすっかりチャーミングなキャラクターになってしまった彼女。
やや残念ではありますが、わたしは最後まで見守ろうと思います。
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます。
「貞子」の恐さや、魅力について解説しました。
私は続編としては『らせん』のほうが好みなんです。みなさんは続編で好きな作品、ありますか?
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