You see a lot, Doctor. But are you strong enough to point that
high-powered perception at yourself?
『羊たちの沈黙』は、1991年に公開されたジョナサン・デミ監督のサイコスリラー映画で、トマス・ハリスの同名小説を原作としています。
この映画は、FBI訓練生クラリス・スターリングと、獄中の天才精神科医ハンニバル・レクター博士との奇妙な交流を描き、連続殺人犯バッファロービルの捜査に挑む物語です。
第64回アカデミー賞で主要5部門を独占し、映画史に残る名作として知られています。
今回の記事では、映画『羊たちの沈黙』を詳しく考察します。映画を観た後に疑問や考察を知りたい方はぜひお読みください。
まずは映画の概要から!
映画『羊たちの沈黙』の概要
公開年: 1991年
監督: ジョナサン・デミ
原作: トマス・ハリスの同名小説
キャスト: ジョディ・フォスター(クラリス・スターリング)、アンソニー・ホプキンス(ハンニバル・レクター)、スコット・グレン(ジャック・クロフォード)、テッド・レヴィン(バッファロービル)
あらすじ: FBI訓練生クラリス・スターリングは、連続殺人犯バッファロービルを追うため、獄中の天才精神科医ハンニバル・レクター博士の協力を仰ぐ。クラリスはレクターとの対話を通じて、犯人の心理に迫り、事件解決に挑む。
1. タイトルの意味
タイトルの『羊たちの沈黙』は、クラリスの幼少期のトラウマに由来しています。
彼女は幼い頃、親戚の牧場で屠殺される羊たちの悲鳴を聞き、その光景がトラウマとなりました。
クラリスがFBI捜査官として事件を解決することで、その「羊たちの悲鳴」が沈黙することを象徴しているんですね。
レクター博士がそのことについて「Well, Clarice – have the lambs stopped screaming?」と言及するシーンが特に象徴的です!
2. クラリスとキリストの重ね合わせ
レクターがクラリスに個人的な質問を繰り返すのは、彼女の純潔さや過去のトラウマを探るためなんです。
特に、クラリスが幼少期に羊を救おうとしたエピソードは、キリスト教の「神の子羊」と重ね合わせることができます。
クラリスが被害者を救おうとする姿勢は、キリストの自己犠牲的な愛と重なる部分があります。
レクター博士はこれらの質問からクラリスの純潔や処女性を確信し、イエスやマリアのように神格化しているような節がみられるというわけです。
レクター博士が脱走するシーンでも、監視員を十字架のように磔にするシーンがありますよね。あれもこの映画がキリストを強く意識していることが伺えます。
3. 男性の好奇の眼差し
この映画は、レクターの異常性だけでなく、クラリスが男性社会で直面する困難や偏見も強く描いています。
彼女が捜査を進める中で、男性たちの好奇の眼差しや軽視に対抗しながら成長していくというのが、サイドストーリーとしてあるんですよね。
またジョディ・フォスターはこのテーマにおいてぴったりのキャスティングなんです。
ジョディ・フォスターは、『タクシードライバー』に出演した後、深刻なストーカー被害に合っています。
12歳の娼婦というショッキングな役柄で、演じた当時は13歳。
熱狂的で異常な彼女のファンの一人が、レーガン大統領の暗殺未遂事件を起こしたのです。
そのことが大変なトラウマとなり、男性恐怖症のようになってしまったジョディ・フォスター。
しかも同性愛でもあるんです。
あの容姿ですから、彼女に言い寄った男性はもの凄い数だと思います。
しかしながら、当人は男性に興味が無い、なんならトラウマをもってすらいる。
これほどまでに、この役がぴったりな役者がいるでしょうか?
4. 真相に迫ったセリフとは
レクターとの会話で、彼はクラリスに「We begin by coveting what we see every day. Don’t you feel eyes moving over your body, Clarice?」と言いました。
これは、「私たちは毎日目にするものを欲しがる。クラリス、君も自分の体に視線が動くのを感じないか?」という意味です。
この言葉は、犯人が被害者を日常的に見ていた可能性を示唆しています。
その後、クラリスは同級生と話しながら、犯人が被害者を日常的に見ていた人物であることに気づきます。
あのシーン、字幕が割と分かりにくいんですよ…
5. 最後のレクターの居場所
映画の最後で、レクターはバハマのビミニ島にいることが示唆されています。
彼は電話でクラリスに「古い友人を夕食に招待する」と言い、チルトン博士を追いかけるシーンで映画は終わります。
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます!
『羊たちの沈黙』は、単なるサイコスリラーにとどまらず、深い心理描写や社会的テーマを含んだ作品です。
クラリスとレクターの対話を通じて、人間の本質や社会の偏見に迫るこの映画は、何度見ても新たな発見があります。
ぜひ、再度鑑賞してみてください!
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