『天使にラブソングを』抑圧からの解放を描く

コメディ映画

コメディタッチで、抑圧からの解放を描いたドラマ

映画『天使にラブソングを』を鑑賞しました。

この映画、実は初めての鑑賞だったんですよね。超名作にも関わらず…。

なかなかAmazon Prime Videoの観放題にこなかったもので、鑑賞が遅れてしまいました。

本作は音楽に加えて、ウーピー・ゴールドバーグやその他キャストの演技が話題に上がりやすいです。

しかし、本作の見事な所は、そこではないと思うんです。

ダニー
ダニー

えー、なになに?

bitotabi
bitotabi

本作の優れたところ。それは、女性や社会的弱者、差別を受けてきた人々が抑圧から解放され、自由に生きることの尊さを描いているという点です。

詳しく解説していきましょう。

抑圧からの解放 誰だって自由でいい

『天使にラブソングを』では、ちょうど半分のところ、50分くらいで大きく流れが変わります。

ウーピー・ゴールドバーグ演じる黒人歌手のデロリスが、修道院の聖歌隊に入ることになるんですね。

この修道院の聖歌隊、とにかく酷いんです。音を外す誰かが大声で歌っちゃうし、ピアノのタイミングもよろしくない。

プロのデロリスは、その聖歌隊の中で、自分の強み、音楽の能力を発揮していくことになるんですね。

そして、周囲の人々をどんどん楽しく、自由にさせていくと。

練習の中で、引っ込み思案だった人が実はとっても歌が上手いことが分かって活躍したり、

補聴器をつけた女性がピアノの名演層を見せたり、

かなり高齢のシスターがソロパートを歌い上げたり…。

そのパフォーマンスはやがて町の人々の注目を集めだすほどになっていくんですね。

閉鎖的な女性だけの世界である、修道院という場所が開かれ、地域と繋がりだすんです。

しかも、敬虔なカトリックだけでなく、ストリートチルドレンたちにまで。

これまで人種や障害によって差別を受けてきた人や、抑圧されてきた女性そのものを描いているのです。

白人の中で、たった一人の黒人が自分らしさを見せること、障害があったって得意なことは活かせるということ、女性だって自由にやりたいことをやっていいんだってこと。

公開当時はまだまだ亭主関白のようなスタイルが、日本でも米国でも当然のように残っていました。

だから相当なインパクトがあったはずです。

あと、本作では、ウーピー・ゴールドバーグ演じるデロリスのことを、一度も「黒人の尼」って言わないんですよ。

彼女は修道院に身を潜めていて、悪いやつらが捜しているんです。で、その捜す時のワードに一度もそれが出てこない。なんなら、そこが特徴的なので、コメディとしてはネタにして強いところだろうに。

これ、素晴らしいことだと思います。そこは笑いにしないっていう姿勢。本当に大事です。

加えてまた、自由を表現したり強みを活かしたり、地域とつながったりというのが、音楽の力であるというのがたまらないですよね。

 



深刻な宗教離れ

『天使にラブソングを』はアメリカにおける宗教離れについても描いています。

キリスト教のイメージの強いアメリカですが、1990年以降、信仰する宗教を持たない人が急速に増えました。

無宗教者は、どの宗教の信者に比べても圧倒的な速度で増加し、変化は特に若い世代で顕著。

なんと1981年以降に生まれた人たちはすでに36パーセントが無宗教化しているそうです。

2024年の今はもっともっと無宗教者は増えています。

もちろん、移民の国だから仕方がないのでしょうが。

『天使にラブソングを』ではデロリスがキリスト教の信仰に触れることで、少しだけ変わっていく様も描いているので、キリスト教もいいもんだよ。

くらいのメッセージはこもっていそうな感じです。

 



演技もやっぱり素晴らしい

本作ではやはりウーピー・ゴールドバーグの演技に目を惹かれます。
表情が圧倒的に豊かです。
でも、コミカルなだけでなく、女性的な魅力も強く持っているという難しい役なんですよ。本当にすごい俳優だなと思い知らされました。

あと、修道女のトップを演じるマギー・スミス
『ハリーポッター』のマクゴナガル先生を演じた人ですね。彼女のキャラクターもいいですよ。

ハーヴェイ・カイテルもいいですね。ああいう恐ろしい男が本当に似合います。

私が本作で一番好きなのはウェンディ・マッケナ。メアリー・ロバートという引っ込み思案なシスターで、何ともかわいい役です。でも優しさと、強く生きたい、楽しい世界を知りたい。そんな思いを抱いたキャラクターを見事に演じています。

加えて、キャシー・ナジミー演じるパトリックもいいですね。最高におもしろいキャラ。悪い役なのかと思ったら、ただのいい子でした笑

 



今日の映学

最後までお読みいただきありがとうございます!

映画『天使にラブソングを』について解説しました。

bitotabi
bitotabi

女性への讃歌。素晴らしい映画です。

ダニー
ダニー

今ならAmazon Prime Videoで観られるよ!

  

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