『正体』をNetflixで鑑賞しました。
第48回日本アカデミー賞の優秀賞として最多12部門13受賞し、最優秀賞もいくつかは獲りそうなこちら。
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個人的には割と訝しんでいたんですが、観ずにそう判断するのもな~。と思い、授賞式前に鑑賞してみた次第です。
今回の記事では、私が本作を訝しんでいた理由と、鑑賞した後の率直な感想をお伝えしていきます。
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日本における冤罪事件と、本作の基になったであろう事件についても解説するよ!
染井為人の同名ベストセラー小説を、横浜流星の主演、『新聞記者』『余命10年』の藤井道人監督のメガホンで映画化したサスペンス。
あらすじ:27歳の男性受刑者が、愛媛県今治市の松山刑務所大井造船作業場から脱獄する。彼は広島県尾道市の向島に潜伏し、普通の市民として生活しながら逃亡を続ける。その間、彼は様々な人々と出会い、自分の過去や罪と向き合うことになる。
彼は逃亡生活を送る中で、自身が冤罪である可能性に気づき、真実を明らかにするための手がかりを探し始める。しかし、警察の包囲網が徐々に狭まり、逃亡者は次第に追い詰められていく。
ゴリ押し感が否めない
正直『正体』が良い映画であるというゴリ押し感は否めません。
横浜流星をなんとか映画俳優として箔をつけたい。この気風ですね。
ぶっちゃけ、そこまでストーリーは面白くなかったですし、行く先々で割としっかり働いてるもんだから、緊迫感もなかったです。そもそもほとんど顔を変えないというのに無理があるような。
山田孝之側が主人公でもいいんじゃない?って感じでした。
横浜流星シフトチェンジなるか
さて、スターダストプロモーションがなんとか演技派俳優として売り出したい雰囲気ムンムンの『正体』。
本作はそのステップにおいて大いなる転換となる役といえるでしょう。
で、その評価としては、まあまあかなあというところ。
川に飛び込んだりマンションの2・3階から飛んだりと、アクションが出来るという強みは見せられたものの、やっぱり彼の顔面を基に話が作られちゃってるよなという感じ。
なんだか、彼の顔が逆に幅を狭めてしまっているような気がしました。
せっかく逃亡劇なんだから、もっと汚いシーンを描いてほしかったなあなんて思いました。
「あの横浜流星が、こんな汚い男を演じてる!」とか
「せっかくカッコいいのにあんなドギツイメイクしちゃうの?」とか
そういう本気度を観たかったです。一重のメイクだけなんて、もったいない。しかも一瞬だし。
結局顔の主張が出過ぎてて、なんだかなって感じ。
ラストの泣きのシーンも、そんなもんかねぇ。あそこまでの悲願を達成した人のリアクションって。
これでアカデミー賞主演男優賞を獲らせるのは逆効果だと思います。
綾野剛か山口馬木也でしょう。
日本における冤罪事件
映画では冤罪が一つの大きなテーマになっていたので、少しそのあたりも解説します。
日本では冤罪事件が時折発生しており、発覚までに長い年月がかかることがあります。
例えば、1978年に起きた松山事件では、無実の男性が殺人罪で有罪判決を受け、29年後の2007年に再審で無罪が確定しました。
その他にも、1980年の福岡事件では、冤罪が発覚するまでに34年かかりました。
このように、日本では冤罪事件の発覚に長い年月がかかることが多く、再審請求や新たな証拠の発見が重要な役割を果たしています。
映画のように短い期間で冤罪が発覚するというのは無いケースなんですね。
基となった事件
映画『正体』の基となった事件は、2018年に愛媛県今治市の松山刑務所大井造船作業場から脱走した27歳の男性受刑者による脱獄逃亡事件です。
彼は2018年4月8日に脱獄し、広島県尾道市の向島に潜伏。
3週間近く逃走し続けましたが、最終的には広島市内のインターネットカフェで逮捕されました。
この事件は日本の刑務所制度や再犯防止策についての議論を引き起こすきっかけとなったのです。
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます。
『正体』について、率直な感想をお伝えしました。
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人によって面白さはそれぞれだと思いますが、私はこれが最優秀作品賞になったら、少しやだなと思いました。
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いろいろあるもんね。
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