僕の故郷だ 故郷は怖くない
映画『ターミナル』をAmazon Prime Videoで鑑賞しました。
本作は巨匠スティーブン・スピルバーグの監督作品。
実在した人物の手記を基に、サーシャ・ガヴァシとジェフ・ナサンソンが脚本化しています。
スピルバーグ監督の作品って、『ジュラシックパーク』のようなどエンタメと、『シンドラーのリスト』のようなシリアス系にくっきり分かれがちなんですが、本作は割と中道的な作品なんです。
エンタメとして十分面白いですし、メッセージ性も結構強めといますか。
しかも英語ビギナーにオススメできる作品なんですよ!
えー、どうして??
そこで、今回の記事では、『ターミナル』の見どころを英語ビギナーにオススメの理由などを交えながら紹介していきたいと思います!
あらすじ
ターミナルのあらすじをざっと説明します。
トム・ハンクス演じる主人公ビクター・ナボルスキー。
彼は使用でニューヨークへ旅行するため、クラコウジアという町から、ケネディ空港へとやってきました。
しかし、入国寸前でストップをかけられてしまいます。
なぜなら、フライトの最中、クーデターにより、祖国クラコウジアの政府が消滅してしまったんです。
宙ぶらりんの無国籍人間となってしまい、パスポートも当然効力を失ってしまうと。
そのため、出国ゲートをくぐることができないんですね。
空港職員にミールクーポンやテレカ、ポケベルなどをもらったビクターですが、彼は英語が話せないし聞けないので、さっぱりどういうことか分かりません。
しかし、ニュースを観て、どうやらクラコウジアで大変なことが起こっており、自分の置かれた状況は理解できました。
空港のトップであるディクソンは、さっさと出て行って移民局に任せてしまいたので、ビクターが空港ゲートを抜け出せるようなチャンスを何度も作ります。
しかし真面目なビクターは、出ようとしない。
はたして彼はどうなってしまうのか…。
といったストーリーです。
まあ、概ねコメディなんですが、要所要所でぐっとくるシーンがあるんですよ。
そして、何と言ってもトム・ハンクスの演技が巧すぎる。英語を話せる人とは思えないです。
しかも何だか、可愛く見えてくるんですよね。ここが、個人的には重要なポイントだと思ってまして。
英語ビギナーにピッタリ
私は本作を英語ビギナーにピッタリの作品だと思っています。
初めに言っておくと、リスニングとかシャドーイングに適したものというわけではありません。
まず、主人公ビクターは、まるで英語を話せません。
人との会話であるとか、空港にあるガイドブックで、英語を習得していきます。
この過程を観るだけでも、とっても楽しいです。
で、ビクターの話す英語は文法とかはおかしいんですけど、人々に伝わるんですよね。
なぜか。
それは、ビクターが一所懸命で、誠実な気持ちでもって、人と対話しているからです。
また、親切で優しいビクターは、次第に空港の人々から愛される存在になっていきます。
こういう人の話は、聞いている側もキチンと聞いてあげようと思いますよね。
性格の良さというか、誠実さというのは、コミュニケーションにおいて、スキルよりもずっと大切なんだと、私は思います。
つまり、英語がペラペラじゃなくても、真心や、誠実さを持っていれば、気持ちや言いたいことを伝えることはできるのではないかと。
そんな勇気もらえる作品だと、私は思います。
アメリカの縮図のような
冒頭で、本作がエンタメとシリアスの中道であるといった理由について解説していきます。
本作には、様々な人種の登場人物が出てくるんですね。
英語も話せない、東欧?から来た旅行者。
インド移民の清掃員。
ヒスパニックのフード・サービス。
アメリカに救いを求めてやってきたロシア人。
などなど。
移民の国アメリカにおける縮図のようなラインナップなんです。
分かりやすく、純粋な白人は、キャリアコースに乗ってたり、CAとして活躍していたりと、格差をみせています。
でも、社会的に弱い立場の人間だって、手と手を取り合えば何かを成せる。そんな熱いドラマがあるんですね。
また、キラキラして見えるCAだって大変なんだよ。っていうメッセージもわずかながら見えます。
ビクターのセリフの一つ、
「人はみんな、何かを待ってる」
というのが、心に刺さりますね。
実在したモデルはこんな人
主人公のモデルは、1988年から2006年まで18年もパリのシャルル・ド・ゴール空港で生活していたイラン人のマーハン・カリミ・ナセリと言われています。
本作のプロデューサーであるアンドリュー・ニコルは、このマーハンが書き続けた日記『ターミナルマン』の映画化権を30万ドルで買ったそうです。
マーハンは、入院生活をしており、加えて、近くに住むホームレス達のための居住施設を借り入れるため、映画化権で得た30万ドルを使い切り、亡くなる数週間前に同空港へと戻って生活しており、2022年11月12日に空港の第2ターミナルで心臓発作を起こして死去しました。
映画とは違って、空港での生活はビニール袋に包まれた私物やゴミに囲まれており、一般的なホームレスと変わらない暮らしだったそうです。
このあたりは、少し物悲しい感じがします。
また、実際はイランの難民で、政治デモに参加し、エヴィーン刑務所に収容された経歴があるそうです。
割と、インド人清掃員の物語も、ミックスされていそうですね。
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます!
映画『ターミナル』
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