親だって初心者。
息子だって初心者。
だけど、知らなかったでは済まないことがあるかもしれない。
映画「The Son 息子」を鑑賞しました。
ヒュー・ジャックマン主演の家族ドラマです。
強烈に心にフックする作品でした…。
これを観て何も思わない人はいないんじゃないでしょうか。
かなり豊かな学びとショックのある映画です。
今回の記事は、映画「The Son 息子」をより楽しく味わうための解説記事!
STORY
家族とともに充実した日々を過ごしていた弁護士ピーターは、前妻ケイトから、彼女のもとで暮らす17歳の息子ニコラスの様子がおかしいと相談される。ニコラスは心に闇を抱えて絶望の淵におり、ピーターのもとに引っ越したいと懇願する。息子を受け入れて一緒に暮らし始めるピーターだったが、親子の心の距離はなかなか埋まらず……。
映画.comより引用
一見、温かなホームドラマが始まりそうなあらすじじゃないですか?
でも全然違うんですよ…!
それでは今作を深く味わうための見どころの解説に参りましょう!
「ファーザー」に続く家族三部作
監督は初監督作「ファーザー」にて、第93回アカデミー脚色賞を受賞したフロリアン・ゼレール監督です。
今作は「ファーザー」に続く『家族三部作』のひとつであるとされています。
「ファーザー」はアンソニー・ホプキンスが認知症の老人を見事に演じており、認知症患者の視点や思考を味わえるとんでもない作品でした。
今作「The Son 息子」でも、アンソニー・ホプキンスが出演しています。
出演時間は僅かでしたが、メインとなる登場人物ヒュー・ジャックマンの父親役として、かなり印象に残る演技を見せています。
これはもう期待していただいて間違いありません。
もちろん、ゴールデングローブ賞にノミネートされた主演のヒュー・ジャックマンの演技にも注目です!
いい意味で期待を裏切る
前作「ファーザー」は一見ホラーなのか、サスペンスなのか、それともドラマなのか、最後まで分からない作品でした。
観終わった後でも、胸がざわつく。そんな映画。
「The Son 息子」も、かなり私のイメージと違いました。
「ファーザー」同様、どのようなジャンルの作品なのかは、最後まで観ないとわからないものでした。
ポスターやヒュー・ジャックマン主演という印象から、ある程度爽やかな家族ドラマを想像していました。
まあ「クレイマーVSクレイマー」くらいのシリアスさだろうと。(「クレイマーVSクレイマー」はDVDを持っているほど好きな作品です。決して否定ではありません)
しかしながら、そんな私の考えをガーーンと打ち破ってきました。
「ファーザー」並みの、いやそれよりも上かもしれない衝撃です。
観る人によって解釈が変わる
今作では、真相がわからないシーンというのがたくさん散りばめられています。
これらの全てが、特に最後まで言及されることはありません。
おそらく、鑑賞者それぞれの解釈に任せるというものなのでしょう。
観る人の立場によって、解釈は様々だと思います。
性別、年齢、社会的な立場、家庭的な立ち位置、などなど。
ただ、鳩のオブジェ、洗濯機などが繰り返し出てくることは、なにかしら監督なりのメタファーが込められていると思われます👇
鳩と洗濯機
今作では、母の家と、父と新妻とその間の子が暮らす家の二つが主な舞台です。
そのどちらにも、鳩の置き物が出てきます。
鳩は、海外でも平和や希望の他に愛、真理、真実、知恵、信心深さ、英知、聖霊、復活、再生、清浄、純朴、正直、新生など、ポジティブな象徴とされています。
両親の離婚による息子が求めるものを表しているのでしょうか。
洗濯機も、何度も登場します。
グルグル回る息子の頭の中や、元通り綺麗にするために規則的に行われる物事に順応できない苦悩のようなものを表しているような気がします。
10代のうつ病とは
予告編でも伝えられるように、息子は急性うつ病という診断を受けます。
10代のうつ病は、朝起きない、食べない、話さなくなる、孤立する、イライラする、攻撃的になる、不登校になる、過食、学業成績低下、引きこもり、暴力的になる、ネットに依存、性的依存、自傷行為、自殺未遂などがみられるそうです。
原因としては、遺伝、性格、発達障害の二次障害などが挙げられ、環境要因には家庭、学校、社会の問題が挙げられます。
かなりデリケートでセンシティブなものです。
しかし、誰にも起こりうることだと思いま。
お子様をお持ちの方は予防策として知っておくだけでも、メリットがありますので、ぜひ鑑賞することをおすすめします。
子育ては繰り返す
よく、かつて親から虐待を受けた人が親になると、わが子に虐待をしてしまうケースが多いということを耳にしますよね。
「自分が辛い思いをしたのになぜ?」と疑問を抱かれると思います。
しかし、これにはキチンと理由があります。
子育てとは、ほとんどの場合、自分の親からしか受けません。
そのため、自分が子育てをする際のモデルとして考えられるものも、実体験を伴った、かつて親から受けた教育となる訳です。
もちろん遺伝的なものも理由としてあるでしょう。
しかし、何かトラブルが起きた際、わが子と衝突した際、親だって軽いパニックになります。
そんな時、自身の心の引き出しから最も取り出しやすい場所にある記憶をもとに、身体が動いてしまうというわけです。
今作でも同じような、シーンがございます。
ヒュー・ジャックマン演じる父親が、わが子と衝突する際にとる行動や、家庭におけるポジションは、一体どのようなものなのか。
ぜひご覧ください。
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます!
映画「The Son 息子」の見どころを解説しました!
すごくずしっとくる、重い映画ですが、面白いです。
非常に学びがあります。
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