「きっと地上には満天の星」を鑑賞しました。
実在した地下コミュニティを基に、ニューヨークの今を描いた作品です。
作品をより深く味えるように、現代のニューヨークの問題について解説していきます。
はじめに
「きっと地上には満天の星」は2020年のアメリカ映画です。日本での公開は2022年8月です。
NYの地下鉄のさらに下に広がる廃トンネルで暮らす親子の、地上への逃亡劇を描き、ヴェネチア国際映画やSXSW映画祭で絶賛された本作。NYの廃トンネルで暮らしていたニッキーは、ある日不法居住者の取締りにあい、仕方なく5歳の娘リトルを連れて地上へと逃げ出す。生まれて初めて外の世界に出たリトルを連れて、NYの街をさまようニッキ―。二人は夜空に星を見つけることはできるのか。
https://www.youtube.com/watch?v=X8TgYROZWcE
監督のセリーヌ・ヘルドは初めての長編制作に加え、主演も務めています。
とっても素晴らしい演技でした。ものすごい才能。
英題は「Top Side」です。「地上」とか「上側」を意味するシンプルなタイトル。
邦題は「きっと地上には満天の星」。悪い癖が出ていますね…。
ハッピーな雰囲気を醸し出して売り出すような作品ではないです。
ニューヨークの地下コミュニティ
ニューヨークの地下コミュニティ。
都市伝説のようなお話ですが、かつては数千人がニューヨークの地下スペースで暮らしていたのだとか。
地下鉄のように入り組んだ場所は、テロの標的になりやすいため、2001年9月11日の同時多発テロ以降、地下コミュニティは一掃されたそうです。
しかし、現在でもわずかながらニューヨークの地下で暮らす人はいるそうです。
東京の地下にスペースがあり、テントを張って数千人の人が暮らしていることを想像できるでしょうか。
丸山ゴンザレスさんの取材を参考にしました。
参考:https://gendai.media/articles/-/51766
アメリカのホームレス事情
ここからは、アメリカの路上生活者、ホームレスの事情について解説していきます。
日本の124倍
日本のホームレスの数はおよそ4500人
アメリカは何と57万人です。
その数日本の124倍。
カリフォルニア州、ニューヨーク州、フロリダ州のに多く存在するそうです。
ホームレスの3分の1はドラッグとアルコールの問題がある人、3分の1は精神面の問題を抱える人、そして残り3分の1は経済状況が原因でホームレスになった人です。(映画ではドラッグ依存でした)
ロサンゼルスでは家賃が急激に上がっていて、普通のアパートで毎月2000ドルから2500ドル(約22~28万円)もします。これを支払えなくなった人たちが、ホームレスになっています
好景気になるとホームレスが増える
投資が新たな住民を呼び込み、町が好況になって人口が増えてくると、地区のアパート代がどんどん値上がり、家賃を払えなくなってホームレスを生むという実に皮肉な矛盾があります。
現在では、世界の大富豪がカリフォルニアからテキサスに移住するのがひとつのブームになっています。
テスラのCEOイーロン・マスクがその筆頭ですね。
カリフォルニアは税金や物価がべらぼうに高いそうです。
ニューヨークもその一つであることは、言わずもがな。
なかなか、簡単に解決できる問題ではなさそうですね…。
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます!
「きっと地上には満天の星」は、かつてのニューヨーク地下コミュニティ問題と現代のニューヨークのホームレス問題を合わせた、なかなか社会的なドラマ作品です。
X(旧Twitter)はこちら
https://twitter.com/bit0tabi
Instagramはこちら
https://www.instagram.com/bit0tabi/
Facebookはこちら
https://www.facebook.com/bit0tabi/
noteはこちら
https://note.com/bit0tabi
コメント