カンヌ国際映画祭パルムドール受賞。ゲロまみれのブラックコメディ。
あなたは笑えますか?
映画「逆転のトライアングル」を鑑賞しました。
STORY:
映画公式サイトより引用
モデル・人気インフルエンサーのヤヤと、男性モデルカールのカップルは、招待を受け豪華客船クルーズの旅に。リッチでクセモノだらけな乗客がバケーションを満喫し、高額チップのためならどんな望みでも叶える客室乗務員が笑顔を振りまくゴージャスな世界。しかしある夜、船が難破。そのまま海賊に襲われ、彼らは無人島に流れ着く。食べ物も水もSNSもない極限状態に追い込まれる中、ヒエラルキーの頂点に立ったのは、サバイバル能力抜群な船のトイレ清掃婦だった――。
ABOUT:
スウェーデンの鬼才リューベン・オストルンド監督。2014年、フレンチアルプスのリゾートホテルで繰り広げられる、とある一家の気まずすぎるバカンスを描いた『フレンチアルプスで起きたこと』でカンヌ国際映画祭ある視点部門審査員賞を、続く2017年の『ザ・スクエア 思いやりの聖域』で、同映画祭最高賞であるパルムドールを受賞。その手腕は、今回も絶好調で、本作『逆転のトライアングル』で再びカンヌ国際映画祭パルムドールを受賞という快挙を成し遂げた。パルムドールを2回連続受賞をした監督としては史上3人目(ビレ・アウグスト、ミヒャエル・ハネケに次ぐ)の快挙となる。
なんといってもパルムドールですからね…。
自身の映画鑑賞眼を試される作品です…!
若干クセのある内容なので、少しでも理解を深めるための解説をいたします。
ストーリーの内容に関するネタバレはございませんので、鑑賞前後にぜひお読みください!
タイトルについて
今作、「逆転のトライアングル」という邦題が付されていますが、原題は「TRIANGLE OF SADNESS」なので、直訳すると「悲しみのトライアングル」になります。
これは、美容用語で、眉間にできる皺を指す言葉です。
眉間に皺ができてしまうような苦労をしている人々と、そうでもない富裕層との軋轢を描いていますので、原題からイメージすると、映画をより適切にとらえることができます。
なぜこういった邦題になってしまったのかはこちらをお読みください👇
3つの章からなる
今作は大きく3つの章に分かれています。
”トライアングル”というタイトルにはそういった意味もあるそうです。
”モデルのカップル” ”クルーズ” ”サバイバル”の3つですね。
後ろの章にいくにつれ、徐々にストーリーが長くなる、小説のような味わいがありますよ。
3つの人間関係からなる
また、”トライアングル”にはもう一つ意味がございます。
それは、人間関係や、所得層です。
”船の客である富裕層” ”客を直接もてなす白人客室乗務員” ”船の裏方を務める有色人種”
これらのトライアングルがどのように変化していくのか。
そこにご注目ください。
コメディ映画
今作はコメディ映画になります。
リューベン・オストルンド監督は「フレンチアルプスで起きたこと」でも、気まずい状況の中で起こる、ネチネチとした人間模様を描いていました。
この人間模様の描き方が絶妙で、共感できるシーンが度々現れ、何だかドキッとしてしまうこともしばしば。
2022年に公開された「ザ・メニュー」のような、笑っていいのかいけないのかわからない。そんなブラックユーモアです。
監督自身も、自分の経験を基に映画を作っているそうです。
特に、サバイバルに陥ってからの、カップルの揺らぎはとても面白いです。
パワーバランスが崩れると…?
今作がパルムドールに輝いたのは、格差の逆転を描いた点にあると、私は思います。
もし、現代の格差社会における立ち位置が逆転してしまったり、パワーバランスが崩れてしまうと、一体どのようなことが起きるのか。
それを暗に伝えるというのが、ブラックユーモアらしさ満点で、他の映画にはない面白さがありましたね。
このシーンに注目!
私が最も印象に残ったのは、船が揺れる中、乗客が嘔吐しまくるシーンです笑
ポスターなどで、婦人がシャンパンを嘔吐しているものが採用されていますが、映画ではあんなにキラキラしていません。
かなりゲロ感強めです笑
豪快な吐きっぷりはむしろ気持ちがいいほどでした。
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます!
「逆転のトライアングル」の予習記事をお届けしました。
ゲロまみれでもパルムドール。
あなたはこのユーモアを、笑えるでしょうか?
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