あの瞳を見たかい?アンネの燃えるようなあの瞳を。
映画『怒りの日』をキネマ・ノイで鑑賞しました。
本作はカール・テオドア・ドライヤーによる1943年の作品。
全国のスクリーンで開催された【カール・テオドア・ドライヤー セレクション vol.2 】の中の一つです。
これまた、すごい作品でした…。ドライヤー恐るべし。
あらすじはこちらです!
中世ノルウェーの村で牧師アプサロンと若き後妻アンネの夫婦は平穏に暮らしていた。しかし、前妻との一人息子マーチンが帰郷するとアンネと親密な関係に。そんな折アプサロンが急死し、アンネが魔女として死に至らしめたと告発を受けてしまう…。
https://kyoto.uplink.co.jp/movie/2023/14752
私は以前、本興行にて『吸血鬼』を鑑賞し、ドライヤーの作品は今回が二本目。
この『吸血鬼』がとっても面白かったですし、先日映画館で鑑賞したビクトル・エリセの『瞳を閉じて』の中にも「ドライヤー亡き後、映画に奇跡は存在しない」というセリフがあったので、またドライヤー作品を映画館で観られたことはとても幸福でした。
しかも名古屋でシネマテークの後に新たにオープンしたキネマ・ノイで観られたことは貴重な体験でしたね。
さて、映画の内容ですが、もう流石はドライヤー。
こんなに古い作品でありながら、見せ方に古さは一切感じません。
カメラワークなんて、今の映画よりも優れているんじゃないでしょうか。
昔の映画って、カットカットで切り貼りしたような印象があるんですが、ドライヤーは流れるような映像で、ストーリーがするっと入ってくるんです。
テーマもまた面白い…。
魔女狩りが本気で信じられているような時代を映し出すんですが、現代人からすれば、魔女狩りなんていかれてるなと思いながら観始めてはいたものの、徐々にこちらも、マジョリティ、つまりあいつは魔女なんじゃないかという風に思ってしまうような仕掛けになっています。
怖ろしい映像体験です…。
この魔女狩りというありえないテーマでそう錯覚してしまうんですから、ドライヤーはもうなんでもできちゃいますね。魔法使いの域です。
また、繰り返し使用され、タイトルにもなっている『怒りの日』という曲。
これ、どこかできいたことがあるなと思ったら、『シャイニング』のOPにそっくりなんです。
『シャイニング』のOPは、『ベルリオーズ<幻想交響曲>の第五楽章に引用されている、聖歌「怒りの日」をシンセサイザーでアレンジしたものらしいですね。
ドライヤーの他の作品、『奇跡』『裁かるるジャンヌ』あたりもぜひ観てみたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございます!
映画『怒りの日』の感想をお伝えしました。
ドライヤー恐るべし!
他の作品も観なくっちゃだね!
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