映画が好きだと伝えると、
「どんな映画が好きなんですか?」
という流れになるのは必然。
正直、なんでも観るのですが、ついつい、ホラーが好きだと言ってしまいます。
相手がホラー映画好きであれば、そのまま好きな作品を言い合うような流れになります。
が、ホラーだけは苦手だという人も一定数いますよね。
もしくは映画自体観ない人。
それらの人との会話で次に聞かれやすいのが、
「ホラー映画のどこが好きなの?」「どうしてホラーが好きなの?」
このあたりの質問です。
あるある。
あまり理屈で考えたことがないので、この質問をされると「うっ」と言葉に詰まってしまうことがしばしば。
そこで、今回の記事では、どうして私はホラー映画が好きなのか、少し俯瞰して考えてみたいと思います。
ホラーを愛する理由その1 非日常
映画を観るにあたって、
「自分の人生で経験できない・したことがないことを見たい知りたい感じたい」
という欲を満たそうと思うことは重要ではないでしょうか。
ホラー映画のほとんどは、この欲を満たしてくれることが多いです。
めちゃくちゃ低俗なもの、世に言うZ級映画、B級映画のようなものでさえ、非日常を味わう快楽は満たすことができます。
「ありえねー!」「こえー!」「やべー!」「きもーい!」
みたいなね。
これが一つ目。
でも、ホラー映画の面白さって、それを越えたところにもあると思うんです。
ホラーを愛する理由その2 人生に影響を与える恐怖
黒沢清氏の著書『映画はおそろしい』に、こんなことが書いてました。
「ホラー映画か否かを決定づけるのは、自分の人生に影響を与える怖さがあるか、自身の力ではどうにもならない抗えない恐怖を感じるかどうかである」
ハッキリ同じじゃないですが、こんな感じのことが書いていたんです。
これ、結構腑に落ちたんですよね。
初めて『リング』を観た時って、本当にもうめちゃくちゃ怖かったんです。
テレビがある部屋で眠るのが恐ろしくて仕方がなかった。
私と同世代の人は、少なからずこの経験をお持ちだと思うんですよね。
これは紛れもなく、自分の生活に影響を及ぼす恐怖だったはずです。
ホラーとかオカルトの持つ魔力のようなものとでもいいましょうか…。
かつて口裂け女や恐怖の手紙が社会現象になったことと同じだと思うんです。
恐がる子どもが多発して、集団下校になったり、
部屋から出られなくなる人がいたり。
存在しないもの(幽霊や化け物)によって、間違いなく影響を受けた人が存在するという。
私はここまでの状態になったことはありませんが、ホラー映画を観ていると
「お、これはちょっと怖いぞ」
って、たまにインパクトが強すぎて脳裏から離れない衝撃を受けることがあるんですよね。
この印象は、私にとっては、ドラマチックな映画で切ない気持ちを引きずるのと同じ感覚です。
『ラ・ラ・ランド』と『エクソシスト』の後味は近しいものを感じます。
たまにこういった、生活に影響を及ぼすほどの体験をしたい。そんな出会いをしたくなるわけです。
ホラーを愛する理由その3 美しさとこだわりに震える
私はしばしば、ホラー映画を観ていて震えてしまうことがあります。
恐さと感動とが相まって身体が震えるんです。
記憶に残っているものだと、
『悪魔のいけにえ』のラストシーンと、
『赤い影』の冒頭、
『回転』の池のシーンなどですね。
どのシーンにも共通して言えることは、恐さと美しさが共存したシーンであることです。
美しくてため息がでるようなショットのなのに、不気味さと恐怖が合わさっている。
これはホラー映画でしかありえないですよね。
震えるんです。自然に。
ホラー映画って、もの凄く映画愛に溢れたものが多いんです。
『シャイニング』のこだわりっぷりなんてどのシーンも異常だし、
『エクソシスト』のエレン・バースティンの表情なんか、どれだけ追い込んだんだろうって感じです。
最近だと『X』や『Pearl』がそれらの名作への愛をたっぷり込めて作られています。
クローネンバーグの特撮だって、ものすごい執念を感じとれる。
結局は、ホラー映画は作り手の愛やこだわりを感じやすいんだと思います。
だから観ていて満たされやすいし、時には幸せな気分になるんです。
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます。
私がホラー映画を愛する理由を分析してみました。
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