悪い赦しなんて、あるの?
映画「ウーマン・トーキング」をAmazon Prime Videoで鑑賞しました。
本作、6月2日の公開時からとっても気になっていたんですが、タイミングが合わずに見逃してしまいました。
3か月も経たずに観放題に追加されたのは非常に嬉しい限り!
Amazon Prime Video様様だね。
もう、本当に面白かったです。
ほとんどが暗い部屋での会話劇なんですが、退屈するどころか、ゾクゾクしちゃうんですよ…。
今回の記事では、「ウーマン・トーキング」を観る際に、より楽しんで鑑賞できるポイントを解説していきます。
現代の実話
本作で最も重要なポイントです。
識字できない女性が、男性から性的暴力を受ける。
服装も、女性は丈の長いワンピースにスカーフ、男性はオーバーオールにチェックのシャツ。
一見、大昔の話のような雰囲気の本作ですが、現代の、しかも実話をベースにしたお話なんです。
冒頭10分でまず、冷蔵庫が映ります。
さらに、バンドエイドが映り、トラックが『デイドリームビリーバー』を流しながら、2010年の国勢調査にやってくる。
2005年から2009年に南米はボリビアで実際にあった事件をもとにしているんですよ…。
メノナイト
メノナイトという人たちをご存じでしょうか?
なるべく昔に近い生活をすることで、最後の時に救われたり、神の恩恵を受けられると信じているキリスト教の教派の一つです。
今も150万人ほどが、電気や自動車をほとんど使わずに生活しています。
映画でも電灯ではなく、ランプや馬車を使っていましたね。
ボリビアにあるメノナイトの人々が暮らすコミュニティでは、2009年当時で2,000人ほどが暮らしていました。
そこで、2005年から2009年にかけて、数百人の女性が性的暴行の被害に遭ったのです。
映画とほとんど同じで、牛用の麻酔スプレーを用いて、女性たちを昏睡状態にしていたため、ほとんどが記憶になく、違和感を訴えたとしても『悪魔の仕業だ』『妄想だ』などと言われる始末。
しかも、恐ろしいことに、3歳の女の子までその被害になっていたのだとか。
もう、本当に胸糞悪い話ですよね。
でも、そんなことが現代でも実際に起こっているのだと、しかもあえて映画の中ではメノナイトであることは言及せず、我々の身近にもありえるのかもしれないという教えをくれる作品なのです。
ブラッド・ピット製作
本作の製作総指揮はブラッド・ピットが務めています。
俳優としての印象が強い彼ですが、最近の製作は目を見張るものがあります。
『ムーン・ライト』『SHE SAID』『それでも夜は明ける』そして、本作。
女性や人種間における差別を扱ったメッセージ性の強い作品ばかりで、ブラッド・ピットの関わった作品は、今もう大体面白いです。
キャストの魅力
本作に登場する女性たちは、みな素晴らしい演技でした。
『ドラゴン・タトゥーの女』のルーニー・マーラは、少しミステリアスながら、どこか達観した女性を演じています。
『ファーストマン』のクレア・フォイは、本作でも力強い役どころを。
『MEN』で男から逃げる恐怖を演じたジェシー・バックリーは本作では母性あふれる女性を。
また、そんな女性たちの中で、優しい理解者として闘うオーガストを演じたベン・ウィショーの演技も心に響くものがありました。
許すと赦す
「許す」と「赦す」は、かなり意味合いが違います。
「permission」と「forgive」
許可する事と、赦す事は違うんです。
全てを寛容に捉えた上で赦す。
これが一番難しいんです。
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます!
『ウーマン・トーキング』を楽しんで観るためのポイントを解説しました。
さあ、彼女たちの選択はどういったものであるのか。
あなたはそれをどう感じるのか?!
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