この宿場じゃあ、人を殺すと金になるんだろ?
映画『用心棒』を鑑賞しました。
私は黒澤作品をあまり観たことがなく、『用心棒』は今回が初めての鑑賞。
なんと、オーストラリアのメルボルンの映画館で観てきたのです。
それはまた、スペシャルな経験だねぇ!
感想
2024年11月10日現在、オーストラリアではアジア映画の特集上映が組まれており、私が行った映画館では、黒澤映画が計6本上映されていました。
なので、日本語音声、英語字幕付きで、オーストラリア人の観客と一緒に観たわけなのですが、だからこそ黒澤映画が世界に通じるのだということが実感できましたね。
特に、コメディシーンでオーストラリア人が声を出して笑っているのが印象的でした。
しかしながら、シリアスなシーンではしっかり息を呑んで見守る。
『用心棒』なんて時代劇要素がかなり強く、鑑賞ハードルはそこそこ高そうなもんですが、誰が観ても楽しめるように作られているんですね…。脱帽です。
何より、カットがいちいちカッコいいんですよね〜。で、コミカルなシーンはとことんコミカルだし。
三船敏郎演じる主人公が、最後に飯屋の主人を助けに現れるカットにはウットリするほど痺れたし、
飯屋の中から、外の様子を三人で覗くシーンの剽軽さはたまらないものがありました。
あとね、セリフがシンプルなんですよ。
英語字幕もすごく短いセンテンスで、私でもほとんど分かるくらいでした。
ストレートで無駄のないセリフで構成し、明確で印象的なカットでもって魅せる。
そりゃあスピルバーグもスコセッシも憧れるわけですわ。
豆知識
最後に少しだけ、本作の豆知識を。
キャラクターの動き: 黒澤明監督は、三船敏郎に「狼や犬のように」と指示し、仲代達矢には「蛇のように」と指示しました。この指示に基づいて、三船はサンジューロの特徴的な肩の動きを考案しました。これは、犬や狼がノミを振り払うような動きです。
音響効果: 黒澤監督は、剣が人を斬る音をリアルに再現するために、音響技師の皆川一郎に特別な音を作るよう依頼しました。最終的に、2本の木製の箸を生の鶏肉に差し込み、それを剣で叩くことで理想的な音を見つけました。
影響とリメイク:『用心棒』は、セルジオ・レオーネの有名な「スパゲッティ・ウェスタン」映画『荒野の用心棒』(1964年)に大きな影響を与えました。しかし、レオーネは正式な許可を得ずにリメイクしたため、黒澤監督は訴訟を起こし、公開が3年間遅れました。
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます!
映画『用心棒』をメルボルンで観た感想をお伝えしました。
初めての黒澤映画の劇場鑑賞は大変満足したし、日本人の映画好きとして誇らしい思いもしました。
次は小津安二郎を観られたらいいね。
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