映画好きの皆様、日本映画の印象ってどうですか?お好きですか?
私は海外作品の方よく見ます。
何となく、日本の映画って、日本国内のヒットだけに注力したものが多い印象で、海外作品ほどインパクトを受けることが少ないからです。
しかし私は最近、黒澤明監督の映画を再鑑賞しており、その素晴らしさに心を震わせているんです。
そして、黒澤明監督の意思は引き継がれ、素晴らしい作品はいくつか生まれています。
今回の記事では、日本映画の中でも、とにかく面白い、映画好きならば絶対に観ていただきたい作品を10本紹介します。
洋画派のあなたも、ぜひご鑑賞ください。
昔の作品から今の作品まで、幅広く紹介するよ!
七人の侍 1954
製作年: 1954年
監督: 黒澤明
脚本: 黒澤明、橋本忍、小国英雄
受賞歴: ヴェネツィア国際映画祭 銀獅子賞
主演: 三船敏郎、志村喬
あらすじ: 農村を守るために雇われた七人の侍が、野武士との戦いに挑む物語。
ベタだと言われるかもしれませんが、やはりこれです。70年の時を経ても、日本代表。至高の作品です。侍というヒーローが百姓を救うというエンタメとして構成しつつ、実は両者には高い無知の壁があったというじことを同時に伝えている作品。それは最後に、生き方に対するメッセージに変わり、我々の胸に残る。究極です。これを観てしまったら、他の作品では物足りなくなってしまうでしょう。近年のスペクタクルと称される作品はこの作品の足元にも及ばない。だって、ドラマもアクションも凄まじいんです。完璧なんです。私はそう思います。だから、ある意味危険です。あなたの映画を観る物差しが変わってしまうでしょう。鑑賞のタイミングは、じっくり選んだ方がいいかもしれませんね。注目は三船敏郎演じる菊千代というキャラクター。
東京物語 1953
製作年: 1953年
監督: 小津安二郎
脚本: 野田高梧、小津安二郎
受賞歴: ブリュッセル万国博覧会 グランプリ
主演: 笠智衆、原節子
あらすじ: 老夫婦が東京に住む子供たちを訪ねるが、冷たい扱いを受ける物語。
『七人の侍』がエンタメの究極であれば、『東京物語』は繊細な映画の至高。しかしながら、当時の世相や社会問題を強く反映し、セリフで多くを語るわけではないので、もしかすると現代人は若干共感しにくいかもしれません。しかし、ご安心を。歳をとるという、不変な価値観もしっかり捉えていますし、何より美しいカットに酔いしれることができます。小津調と称されるその独特なカットは、今なお映画に強い影響を与えています。
AKIRA 1988
製作年: 1988年
監督: 大友克洋
脚本: 大友克洋、橋本以蔵
受賞歴: アヌシー国際アニメーション映画祭 特別賞
主演: 岩田光央、佐々木望
あらすじ: 近未来の東京を舞台に、超能力を持つ少年や不良たちの戦いを描く。
ジャパニメーションはここから生まれた。今日においても、日本のアニメは世界中で愛されていますよね。クールな日本アニメ、それを決定的に印象付けたのが『AKIRA』です。バイクのブレーキシーンは今観ても大変なかっこよさ。いろんな映画でオマージュされてます。
もののけ姫 1997
製作年: 1997年
監督: 宮崎駿
脚本: 宮崎駿
受賞歴: 日本アカデミー賞 最優秀作品賞 ベルリン国際映画祭 特別賞
主演: 松田洋治、石田ゆり子
あらすじ: 人間と自然の対立を描いたファンタジー作品。
子ども向け作品だと誤解されがちな宮崎駿作品ですが、実はそのすべてが大人にしか分からないような作りになっています。『もののけ姫』はその最たるものでしょう。表面上は環境破壊に対するものに見えますが、実はそうじゃない。たたら場ってどういうところなのか。エボシ御前とは善か悪か。サンとアシタカはどういう仲になったのか。どうしてあのようなラストになったのか。単に環境問題だけを提唱したものではないことをぜひ味わっていただきたい作品です。
火垂るの墓 1988
製作年: 1988年
監督: 高畑勲
脚本: 高畑勲
受賞歴: ブルーリボン賞 特別賞
主演: 辰巳努、白石綾乃
あらすじ: 第二次世界大戦中の日本で、兄妹たちがどう生き、彼らに何が起こったかを描く。
続いてもジブリ作品ですが、高畑勲作品ですね。私が一番好きなジブリ映画です。この映画は、他のジブリ作品とは一線を画します。ファンタジー要素が一切ないからです。そして、ただの反戦映画ではない。主人公の少年が、戦中の日本で犯してしまった罪とは何なのか。その上で戦争とはなんと危険で愚かなことなのか。これを味わえる傑作です。ちなみに本作は公開当初『となりのトトロ』と同時上映されました。
蒲田行進曲 1982
製作年: 1982年
監督: 深作欣二
脚本: つかこうへい
受賞歴: 日本アカデミー賞 最優秀作品賞
主演: 松坂慶子、風間杜夫
あらすじ: 映画撮影所を舞台にしたコメディドラマ。
深作欣二といえば、『仁義なき戦い』のイメージが強いかもしれませんが、映画好きにはぜひチェックしていただきたいのがこちら『蒲田行進曲』です。時代劇の撮影現場が舞台なんですよ。退廃的で破滅的な昭和の役者の生き様に切なくなります。味わいとしては『ワンハリ』に近い。松坂慶子の美しさもとてつもないです。
リング 1998
製作年: 1998年
監督: 中田秀夫
脚本: 高橋洋
受賞歴: 日本アカデミー賞 優秀作品賞
主演: 松嶋菜々子、真田広之
あらすじ: 呪いのビデオテープを巡るホラー映画。
作中のキャラクター、貞子は、今や世界でも広く知られるホラーキャラクターのひとつです。フレディやペニー・ワイズ、ジェイソンやチャッキーと並ぶような日本の心霊キャラクター。それだけでも偉大です。しかし、このジャパニーズホラーのじっとりした演出や、恐怖が伝播する描写というのもまた素晴らしい。今、『リング』を若い頃に観た世代の監督が大成しつつあり、近年の洋ホラーは特にジャパニーズホラーの要素が感じられます。
ベイビーわるきゅーれ 2021
製作年: 2021年
監督: 阪元裕吾
脚本: 阪元裕吾
受賞歴: 第23回ニューヨーク・アジアン映画祭 ダニエル・A・クラフト賞
主演: 高石あかり、伊澤彩織
あらすじ: 社会に適応できない女子高生殺し屋コンビが繰り広げる青春バイオレンスアクション
ここまでの作品は20年以上前のものになってしまいましたが、こちらの『ベイビーわるきゅーれ』は2021年の作品です。2023年、2024年にそれぞれ公開された続編も素晴らしい。特筆すべきはアクション。伊澤彩織や、彼女と敵対する役でアクションを演じる方たちの生身のアクションは凄まじいです。CGを使わず、アクターの身体でアクションを演じるというのが、どれだけ圧倒されるものなのか。再認識させられます。冗談抜きで、ブルース・リー以来の迫力だと思っています。相棒を演じる髙石あかりの日常パートの演技もキュートです。この、アクションと日常パートのギャップが癖になります。あと、個人的には笑いとアクションのバランスがとれているパート2が一番好きです。
福田村事件 2023
製作年: 2023年
監督: 森達也
脚本: 井上淳一、荒井 晴彦、佐伯俊道
受賞歴: 第28回 釜山国際映画祭 ニューカレンツ賞
主演: 井浦新、永山瑛太
あらすじ: 1923年9月、関東大震災から5日後の千葉県東葛飾郡福田村で起きた実際の事件を基にしたドラマ。
続いても新しい作品、『福田村事件』です。これはもう、最近映画館で観た日本映画ではぶっちぎりに面白かったです。日本人は平和を愛し、非暴力主義な国民だという考えに対する強烈なメッセージをこめた作品。果たして本当にそうなのか。わずか100年前の日本で、こんなおぞましい事件が起こっていた。とにかく恐ろしいですが、絶対に目を背けてはいけない。そんな作品です。
孤狼の血 2018
製作年: 2018年
監督: 白石和彌
脚本: 池上純哉
受賞歴: 日本アカデミー賞 最優秀主演男優賞
主演: 役所広司、松坂桃李
あらすじ: 暴力団と警察の対立を描いたクライムドラマ。
最後は『孤狼の血』です。白石監督の作品って、とにかく役者が役に入り込んでいるような気がします。キャスティングがいいのか、監督しての指示やマネジメントがすごいのか、分かりませんが。ほとんどヤクザのような役所広司の暴挙に踊らされる松坂桃李。そして彼の中で変わっていく何か。これを真に見届けるには『孤狼の血level2』(2021)も鑑賞しなくてはなりませんよ。役所広司がいないのに、あそこまで面白い。続けて観ちゃいたい作品です。
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます!
絶対に観てほしい日本映画を10作品紹介しました。
映画好きの人には、ぜひ観ていただきたい作品です。日本映画の印象が変わると思いますよ。
興味のあるジャンルから観てみてね~!
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