タミー・テレルとマーヴィン・ゲイのデュエット『You’re All I Need To Get By』について紹介する記事です。
この曲は映画『CODA』でも重要なシーンで使用されたよ。
この曲の歌詞や背景が分かると、映画もより一層感動が大きくなりますよ。
You’re All I Need To Get Byの概要
- リリース年: 1968年7月9日
- アーティスト: マーヴィン・ゲイ、タミー・テレル
- レーベル: モータウンのタムラレーベル
- 作詞・作曲: ニコラス・アシュフォード、ヴァレリー・シンプソン
この曲は、マーヴィン・ゲイとタミー・テレルのデュエットとして録音されました。レコーディング当時タミー・テレルは、脳腫瘍の手術から回復中であり、録音セッションは非常に困難なものでした。タミー・テレルは1967年10月28日、ハンプトン・シドニー大学でのコンサート中にステージ上で倒れました。彼女はマーヴィン・ゲイとデュエットをしている最中に突然意識を失い、倒れ込んでしまったのです。この出来事は観客にも大きな衝撃を与え、すぐに病院に運ばれました。その後、彼女は脳腫瘍と診断され、手術を受けることに。その後にレコーディングをした数曲の中の一つです。
また、リリースされた当時である1960年代後半から1970年代にかけての多くの音楽は、ベトナム戦争や社会的な変革の影響を受けており、アーティストたちがその時代の雰囲気や感情を反映させることが多かったです。
『You’re All I Need To Get By』もまた、愛と支え合いの力をストレートに強調することで、間接的にその時代の困難な状況に対する希望や慰めを提供していたのかもしれません。
歌詞・和訳
You're all I need to get by.
あなたがいれば他になにもいらない
Like the sweet morning dew,
I took one look at you,
And it was plain to see,
You were my destiny.
甘い朝露のような
君を一目見て
すぐに分かった
君が運命の人だと
With my arms open wide,
I threw away my pride
I'll sacrifice for you
Dedicate my life to you
ちっぽけな誇りなんか放り出して 腕を大きく広げた
あなたのためならどんな犠牲も払って あなたにすべてを捧げるわ
I will go where you lead
Always there in time of need
And when I lose my will
You'll be there to push me up the hill
どこにだって着いていく
困った時にはいつもそばにいる
私が希望をなくした時
あなたが丘の上に押し上げてくれる
There's no, no looking back for us
We got love sure 'nough, that's enough
You're all, You're All I need to get by.
私たちは振り返らない
確かに愛し合っている それだけで十分
あなたがいれば他になにもいらない
Like an eagle protects his nest,
for you I'll do my best,
Stand by you like a tree,
And dare anybody to try and move me
鷲が巣を守るように
君のために最善を尽くすよ
木のように君のそばに立ち
誰にも動かせやしない
Darling in you I found
Strength where I was torn down
Don't know what's in store but together we can open any door
倒れた時にはあなたの強さが頼もしい
何が待ち受けているか分からないけど
私たちならどんな扉も開けられる
Just to do what's good for you and inspire you a little higher
I know you can make a man out of a soul that didn't have a goal
Cause we, we got the right foundation and with love and determination
あなたにとってプラスなことを少しでも与えたい
キチンとした目標が無くたって人間生きていけるさ
だって僕らは確かな繋がりを持っていて 愛する信念があるから
You're all, you're all I want to strive for and do a little more
You're all, all the joys under the sun wrapped up into one
You're all, You're all I need
You're all I need to get by
もうちょっとだけ努力するよ
太陽の下のすべての喜びを一つに包もう
あなただけが あなただけがすべて
あなたがいれば他になにもいらない
映画での使われ方
『CODA』の中でこの曲は3度歌われます。
1度目は惹かれ合う2人が練習する時に。
2度目は学校の発表会本番。
そして2度目はヒロインのお父さんのために。
若い男女がお互いを思い合うという甘い雰囲気を歌うデュエットと、
家族のかけがえのなさをそれぞれ歌いあげる。
恋人のような恋愛的な支えも、
家族という特別な支えも、
どちらもとっても大切なものであると。
自分以外の家族全てが聴覚障害を持つルビーの孤独と困難がまた、タミー・テレルの境遇と絶妙に重なるんですよね。
タミーもまた、闘病生活という逆境の中、マーヴィン・ゲイや周囲の支え、そして彼女自身の心の強さでこの曲の完成に辿り着いたはずです。
ですので、この曲を聴くと、それだけでもう、泣けてしまいます。
豆知識
- この曲は、モータウンサウンドとは異なり、よりソウルフルでゴスペルに影響を受けたテーマを持っています。作詞・作曲を担当したアシュフォードとシンプソンは、ニューヨークの教会合唱団で歌っていた経験があり、その影響が反映されています。
- 録音中、マーヴィン・ゲイはタミー・テレルを励ましながら歌わせる様子が伺え、彼の「Come on, Tammi」というアドリブが録音に残っています。
- この曲は、1968年のビルボードホット100で7位、R&Bチャートで1位を獲得し、マーヴィン・ゲイのキャリアで最も成功したデュエット録音の一つとなりました。
今日の映学
最後までお読みいただきありがとうございます!
『You’re All I Need To Get By』の歌詞や背景、映画での使われ方について解説しました。
タミーとマーヴィンのデュエットは他の曲も最高ですので、ぜひ聞いてみてくださいね。
CODAもぜひもう一度ご鑑賞を!
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